大事なことはイラストや短い言葉で伝える

こういった記憶の改ざんを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか? まず、高齢者に伝える時は言葉や文字よりも絵を使ったほうが記憶に残りやすいことがわかっています。

オフィスで紙に書く実業家の手
写真=iStock.com/MangoStar_Studio
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また、若い人と比較して長い説明は記憶しにくいのですが、短い説明についてそれほど記憶の差がないことも報告されています。また、抽象的な言葉は耳に入りにくく、具体的な言葉は耳に入ってきやすいとされています。ですから、高齢者に伝える時には絵で描いたり短くて具体的な説明を心がけたりする工夫が有効です。

特に注意したいのが、手術や入院などの方針や、家族の今後について話し合う時です。なぜなら、大切な話は基本的に長くなるからです。しかも大切な話は抽象的にもなりがちです。だから、高齢者にはますます伝わりにくくなります。

平松類『新版 老人の取扱説明書』(SB新書)
平松類『新版 老人の取扱説明書』(SB新書)

例えば、家族間で誰が父親の介護をするのか、誰が同居するのかを話し合う時、「協力し合う」「一生懸命やる」といった抽象的な言い回しが増えます。高齢者にとって抽象的な話は「覚えられない」どころか「聞こえにくくなる」ことがわかっています。脳の処理能力や耳の処理能力の問題で抽象的な話は聞こえなくなるのです。

結果として、どれだけ家族が一生懸命父親のことを議論しても、大切な内容は本人には聞こえず、都合が悪いことは記憶に残らず、誤った記憶で塗り替えられてしまう恐れがあります。ですから、誰が介護をするかといった問題は、本人の前で長々と議論するよりも、事前に結論を出してから本人には結果だけを端的に伝えるほうが確実です。

よくあるのが「面倒を見る代わりに家賃を出してくれると約束したのに、いつの間にか聞いていないことになっている」といったケースです。このような「言った言わない」のトラブルが起こりやすいので十分気をつけましょう。

◎周囲がしがちな間違い
・「気をつけて」と注意する
・繰り返し注意する
◎周囲の人がすべき正しい行動
・具体的にすべき行動を言う
・短く端的に伝える
◎自分がこうならないために
・視覚のチェックを行う
・交通機関の確保
◎自分がこうなったら
・話し合いから取り残されていないか確認する
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