めぐみさんの娘にも会ったが、めぐみさんの消息は不明のまま

小泉首相の訪朝後、めぐみさんの娘だという少女(当時15歳)が現れた。現在32歳になるとみられるキム・ウンギョンさん(※)である。日本のDNA鑑定によって彼女がめぐみさんと血のつながりがあると証明されたが、横田滋さんは北朝鮮が拉致問題の幕引きに利用する恐れがあると考え、訪朝してウンギョンさんに会うことを止めた。

滋さんがウンギョンさんと会ったのは2014年3月だった。日本政府が北朝鮮と交渉して第三国のモンゴルで面会した。女の子のひ孫とも会えた。しかし、めぐみさんの消息は分からなかった。

めぐみさんは生きているのか。生きているとしたら、なぜ北朝鮮はめぐみさんを日本に帰さないのだろうか。

※年齢は執筆当時。

韓国紙は「精神安定剤の過剰投与で死んだ」と報道したが…

2014年11月7日付の韓国紙の東亜日報が突然、「めぐみさんは精神安定剤や睡眠薬を過剰に投与されて1994年4月に29歳で死亡し、病院近くの山に埋められた」と報じた。しかし、日本政府はこの記事を「事実関係と異なる部分が少なくない」とすぐに否定した。

少しこの記事に触れてみよう。東亜日報は日本政府の拉致問題対策本部が2014年9月に韓国の「拉北者家族会」の代表と共同で脱北者の調査を行ったときの報告書を入手したと報じ、記事はその報告書がもとになっている。

記事によると、2人の脱北者が東亜日報に証言した。2人はめぐみさんが入院していた北朝鮮の平城にある国家安全保衛部の病院に勤務。めぐみさんの朝鮮名「リュミョンスク女」と書かれた診療記録を見たことがあり、そこには「1964年10月5日生まれ。1977年に日本で北朝鮮につかまって連れてこられた」と記載されていた。さらに2人は「めぐみさんは1994年4月10日に死亡した」と話し、「死因は睡眠剤などの過剰な投与だった」と述べたという。

この東亜日報の記事は事実なのか。韓国の「拉北者家族会」は「東亜日報の報道は欺瞞ぎまんに満ちている」と全否定している。どうやら東亜日報が工作をたくらむ北朝鮮にのせられた可能性があるというのが一般的な見方のようである。