ネット検索は英語で、本は自腹で買う

世の中が非常にうまくいっている時代は前例踏襲のほうが楽だし、それで幸せでいられる。ところが、今のようにいろいろな変化が求められている時代には、前例踏襲ではライバルに負けてしまう。今はたまたま前例踏襲に陥りやすい損害回避性格の分が悪く、変化を好む新奇性探究性格の積極性がスポットライトを浴びやすいのかもしれない。

そこで、損害回避性格でも、新奇性探究性格のような積極性を身につけられるトレーニング法を紹介しよう。

第1は情報の入手ルートを広げて新しい情報を収集すること。みんなと同じ情報を同じタイミングで読んでいるだけでは、人と違う新しいことは発見できないし、新たな行動にもつながらない。

そこでお勧めしたいのは、英語の勉強だ。何かのテーマについてインターネットで調べるにしても、日本語に比べて英語は何百倍もの情報があり、情報入手の間口がぐっと広がり、新たなヒントを獲得しやすい。幅広い情報が入ってくれば、ものの見方も広がる。

第2に本をたくさん読むこと。友達をたくさんつくるのも悪くはないが、友達はどうしても自分と同レベルの人が多く、勉強になる情報はあまり入ってこない。かといって、自分よりも上のレベルの人が簡単に友達になってくれるはずもない。

自分とは違うレベルの人の話を聞きたいなら、やはり書物が近道なのだ。ただし、本は身銭を切って手に入れよう。そうすることで、「もったいないからしっかり読まなきゃ」という気持ちを持たせるのだ。現状維持派には、そのくらいのきっかけが必要である。

特に若い人には、偉人や成功者の自伝を勧めたい。自伝を読みながら人生の岐路での判断、成功に至る道のりを疑似体験していると、いい気分になるものだ。そういう成功者の考え方や行動を真似るだけでも、自分を変えるきっかけになるはずだ。

第3に、適当なノートやメモ帳を「ネタ帳」として持ち歩き、気がついたことを何でも書き留めること。ネタ帳は折に触れて読み返す。そこからビジネスのアイデアが生まれることもある。また、おもしろい話を読んだり聞いたりすると、誰かに伝えたくなる。ネタ帳があれば、人前に出るのが苦手な人でも話題が豊富になってコミュニケーション促進の効用がある。また、ネタ帳を持つことで、「自分だけの情報があるんだ」という安心感や自信にもつながる。

第4は生活を変えてみること。食べ物でも起床時間でも禁煙でもいいし、朝の散歩でもいい。会社帰りに飲みにいく回数を減らして読書にあてるのもいいだろう。日常のちょっとしたことを変え、新しい生活にどれくらい適応できるか挑戦するのだ。

それが例えば一週間でも継続できれば、前例踏襲病の人にとっては「変われた」という自信が生まれ、変わることの楽しさに気づくようになる。気分がよくなって自己変革へのエンジンがかかってくれば、いろいろな変化に挑みやすくなるのだ。