お金持ちと貧乏人の差は埋まらない

非正規雇用や年収200万円以下で働く人が増えるいまの日本では、経済格差の問題がよく語られます。コロナ禍で一律10万円の定額給付金が支給された際も「年収1000万円のお金持ちにあげなくていいだろ!」なんて思った人もいるのではないでしょうか。

でも「本当のお金持ち」は働かなくても株や不動産の資産だけで大金が転がり込んでくる人たちのことです。がむしゃらに働いている年収1000万円の人をやっかむのではなく、このような本当のお金持ちと貧乏人の格差を考えるべきですね。

トマ・ピケティ『21世紀の資本』(みすず書房)
トマ・ピケティ『21世紀の資本』(みすず書房)

じゃあ、どうしたらこういう格差は是正ぜせいできるのかということですが、正直、この差が埋まるのはものすごく難しいです。それを実証してみせたのが、ベストセラー『21世紀の資本』(みすず書房)を書いたフランスの経済学者トマ・ピケティです。

彼は200年以上の資産運用の史料を調べ、世界の経済成長より、資産家が持っているお金を投資に回したりして儲かる速度のほうが速いということを解き明かしたのです。たとえば、アメリカの経済成長率が年2%だと、アメリカで働く人は翌年には2%給料が上がると考えられます。

ところがお金持ちはそれよりも速いスピードで資産が増えます。たとえば投資信託などでお金を運用すれば、年率3~4%くらいのスピードで資産が増えていきます。また、お金持ちのところには、ふつうの人には出回らない儲け話が舞い込んできます。こうして、お金持ちはどんどんお金持ちになっていくわけです。残念ながらこれが、いまの社会の現実なのです。

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