※本稿は、ひろゆき『誰も教えてくれない 日本の不都合な現実』(きずな出版)の一部を再編集したものです。
移民の受け入れで若者の給料は安くなっていく
少子高齢化が進み、経団連などの経済界は、外国人の移民の受け入れを主張してきました。そうした声を反映するかたちで、日本では2019年4月から単純労働者の受け入れも可能になっています。移民の受け入れは今後も進むでしょう。
こんなふうにいうと、アジアの人たちが日本で働きたくてうずうずしているように思われるかもしれませんが、べつにアジアの人って日本に来たいとはそれほど思ってないんですよね。景気は悪いし、これから伸びていくようにも見えませんから。
医者やプログラマーなど、特定の技能を持つ外国人はもともと日本で働くことができたわけですが、大卒の優秀な外国人が積極的に日本に来るとは思えません。そういうスキルを持っている人は、アメリカとか中国とかに行くんじゃないでしょうか。
ということを考えると、これから日本で増える移民は、そういう技能を持たない人たちでしょう。カンボジアなどの裕福でない人からしたら時給500円でも高額なわけで、日本人がやってきた仕事を彼らが安くやることになります。
少子高齢化対策で移民を増やすのは、僕にはいいことには思えません。人手が足りないなら、人を雇うために時給を上げるのが経済的にはふつうなのに、外国から「500円でも働きます」という人が増えたら、時給は下がりますからね。
時給が上がると困るのは、安い労働力を確保したい経済界のエライ人や、働く必要がなく、ただ商品が安ければいいと考えがちな高齢者です。
彼らからすれば移民が増えるのは大歓迎でしょうが、若い人にはたまったものではありません。ベーシック・インカムなど、働かなくてもお金が入る仕組みがなければ、移民が増えるにつれて社会はますます乱れていくと思います。