部下を知る努力をし、それぞれの部下を動かすモチベーションが何かを把握する。仕事のことを何もかもわかっているふりをせず、質問して答えを真剣に聞く。勝つためには何が必要かを考える……新任リーダーとして必要な要素を挙げていけばきりがありません。本が1冊どころか、10冊書けるくらいあるかもしれない。
しかし、これらにもまして大切なことが一つあります。自分がどのような人間なのかを明確にすることです。
あなたが何を大事にする人なのかを部下に知らせてください。どのような状況下でも、会社や事業の規模がどうあれ、あなたの理念やあなたがなぜこのように厳しい要求をするのかを、部下に推測させてはいけません。あなたの考えを彼らにはっきり伝えてください。何度も何度も伝えてください。
何も、あらゆる時間を使って自分の「基本方針」について演説せよということではありませんよ。どんな立場であるにせよ、コミュニケーションの最もよい形は双方向のものですから、リーダーは常に組織のあらゆる部署、あらゆる層の人と対話するように心がけるべきなのです。
しかし、変革や危機の際であるほど、自分の行動や決定の理由を公の場できちんと説明しなければ、窮地に陥ります。論議を呼ぶような決定の場合は特に、リーダーは通常以上にコミュニケーションをとらなければなりません。
新しいリーダーのポジションで、あなたがどのくらい厳しい状況に相対することになるかはわかりません。が、もし、自分自身について曖昧にすれば、今のように変化の激しい時代には、すぐに別の誰かがあなたにとって代わるかもしれませんね。
(翻訳=ディプロマット 写真=Getty Images)