ヤフーは10月19日、ヤフーニュースのコメント欄を記事単位で非表示にするなどの新たな誹謗中傷対策を発表した。同月初めには、コメント欄に「過度な批判、攻撃的な投稿」を書き込まないことを求める注意書きも出していた。秋篠宮家の長女眞子さまの結婚についての発表があり、誹謗中傷のコメントが急増したからだとみられている。桜美林大学の平和博教授は「欧米ではプラットフォームへの規制が強化されている。ユーザーが安心して利用できることが重要だ」という――。
ヤフージャパンプレスリリース
写真=ヤフージャパンプレスリリースより

AIが判定し、記事単位で「非表示」に

ヤフーは総選挙公示日の10月19日、「ヤフコメ」と呼ばれるヤフーニュースのコメント欄の新たな誹謗ひぼう中傷対策を発表した。今回の対策では、規約違反の投稿を繰り返したユーザーの「投稿停止措置」の強化や、総選挙期間中の注意メッセージの表示のほか、コメント欄そのものを記事単位で非表示にする初めての対策も盛り込んでいる。

同社はこれまで、人工知能(AI)を使って規約違反のコメントを自動削除するなどの対策を行ってきた。今回の対策はこれに加えて、投稿数が一定数を超えた記事のコメント欄を対象に、AIが規約違反コメントを点数化し、基準に達した場合はその記事のコメント欄そのものを非表示にするという(コメント数や点数の具体的な数値は明らかにしていない)。言わば、コメント欄の部分的な閉鎖の仕組みの導入だ。

ユーザーが自由に投稿できるプラットフォームは、一方でフェイクニュースや誹謗中傷など違法有害情報の拡散の舞台にもなる。世界的な批判の高まりを受け、米国やEUではプラットフォームへの規制強化の議論が続く。

ヤフーニュースのコメント欄にも、以前から誹謗中傷投稿への対策が不十分だとの指摘が根強くある。プラットフォームは有害情報を排除できるのか。改めてそんな疑問が突き付けられる事態が10月初めにも起きていた。