子育てを「不安に感じる」はいいことだ
いまの日本は不景気で、コロナ禍による失業リスクやうつ病になる可能性を孕んでいます。そんな不安定な状態が続けば精神衛生的にあまりいい状況とは言えないわけで、多くの人は不安を感じていると思います。
しかし、ここで思うのは「人間、不確定な未来や未知のことを不安に感じるのは至極全うだ」ということです。
新型コロナウイルスの影響で倒産件数が増え、日本ではワクチン接種がなかなか進みません。終わりがまったく見えない状況で、すでに資産的にゴールしている人ではなく、普通に働かないといけない人が不安を感じていないとしたら、むしろ鈍感すぎる気がします。それは、子育てでも同じことが言えると思うのです。
子育てをしたことのない人が子育てに不安を感じるのは、まともな人間のリアクションです。絶対に風邪を引かない人がいないように、絶対に子育てでノイローゼにならないという人もいません。頭の悪い人は「うつ病は根性で治る」とか考えるようですが、根性でうつ病が治ることを論文で証明できれば、それは、もうノーベル賞モノの大発見です。
つまり、どんな親でも「自分の子育ては正しいのか?」と悩んで育児ノイローゼになり、もっと言えば毒親になる可能性もあるのです。「自分も毒親になるかもしれない」と自問できている人は、それだけで十分まともだと思うのです。
自問できれば「自分の考えや行動が絶対に正しい」と思い込まず、他人の忠告をありがたく聞けますし、他人からのアドバイスを排除しません。だから、不安を感じることは決して悪いことではないのです。