「共産党党員」とはいったいどんな人?

今年、創設100周年を迎えた中国共産党は党員数が9514万人に達した。特に習近平氏が政権を握った2012年以降は党員の増加が著しく、若者の入党が目立つ。中国社会において「共産党党員」とは一体どんな存在なのか。習近平思想が必修科目になったことで、中国の若者はどのような影響を受けるのだろうか。

中国共産党創立100周年祝賀文芸公演「偉大な征途」が6月28日夜、北京国家体育場(鳥の巣)で盛大に行われた。写真はフィナーレの会場一斉合唱の様子。
写真=中国通信/時事通信フォト
中国共産党創立100周年祝賀文芸公演「偉大な征途」が6月28日夜、北京国家体育場(鳥の巣)で盛大に行われた。写真はフィナーレの会場一斉合唱の様子。

中国共産党の機関紙「人民日報」は、「今年6月5日の時点で、中国共産党党員は9514万人に達した」と報じた。1949年に中華人民共和国が建国された当時は449万人だった共産党党員が、約21倍の規模に膨らんだ形だ。中国共産党の統計(共産党党内統計公報)によれば、新中国建国から改革開放路線が定まる1978年までの29年間で1456万人が、また1978年から2012年の中国共産党第十八次全国代表大会(以下、第十八回党大会)までの34年間で累計6094万人が党員になったという。

しかし、「党員」と言っても私たち日本人にはピンとこない。党のバッジを身に着けているわけでもないので、見た目では「この人が党員なのかどうか」の判断もつかない。どのような“思想信条”を持っているのかについても伝わってこない。実態がつかみにくいのは、この手の政治的な話題は中国人の間でも「敏感すぎる」と避けられているからだ。

出世するための条件の一つにすぎなかったが…

上海出身で東京に在住する郭さん(仮名・50代)は、「父親が党員でした。昔は国営企業の課長以上ともなれば、自動的に党員になったものでした」と振り返る。

山崎豊子の小説『大地の子』(文藝春秋)では、主人公・陸一心が勤務先の重工業部の上司から「党員にならないか」と誘いを受けるシーンがある。時代は改革開放路線が始まったばかりの70年代末~80年代。残留邦人でもある陸一心は逡巡するが、最終的に党員になる道を選ぶ。上司の顔を立てないわけにはいかないという理由もあるのだろう。今でも「誘われたら10人に7人が受け入れるのではないか」と郭さんは話す。

陸一心の場合は、内輪で簡単な宣誓式とパーティーが行われたようだ。現代中国の研究者である愛知大学の加々美光行名誉教授は、「入党儀式は簡単で、マルクスの『共産党宣言』の中国訳本に志願者が手を置いて忠誠を誓えば、それで入党することができました」と語る。現代でも入党は形式的であり、「中身を熟読する必要もなく、マルクス主義、社会主義について深く理解していなくてもいい」(同)と言う。