給料は3分の1でもノウハウが活かせる職場

そんなとき、既知の某国立大学で大学発のベンチャー支援をしている人間に「こんなすばらしい方がいる」と声をかけてみた。「ぜひ会ってみたい」というので、Bさんにも伝えると「喜んでまいります」と翌週には面談に向かった。

郡山史郎『定年格差 70歳でも自分を活かせる人は何をやっているか』(青春新書インテリジェンス)
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そしてその週末、Bさんから弾むような声で電話が入った。

「お世話になることに決めました」

給料は前よりも3分の1ほどに下がるはずだ。仕事は未知の世界。ただそのベンチャー支援事業の仕事は、優れた製品・技術の要件は何たるか、企業の投資を得られる勘どころはどこか、マーケットの潮流はどこに向いているかなど、おおよそBさんが培ってきたノウハウと重なるところが多かったというのだ。

Bさんは続けて言った。

「何かやりたいとは思っていたけれど、ベンチャーの応援なんて考えてもいませんでした。どこに居場所があるのか、わからないものですね」

今はそのベンチャー支援の会社に副業という形で従事している。前職の会社からやはり強く慰留されたため、週に数日は研究所に勤務しているからだ。ダブルワークとなったため、1社からの収入は低くとも、合算すれば十分になる。

ずっと1社で働いてきたBさんにとって、二足のわらじ体験そのものが新鮮でもあり、また前からいた研究所のよさも改めて感じ入るいい機会にもなったという。

「研究所からソフトランディングしたら、また別の仕事場があるのではないか。まったく別の業種を覗いてみたいです」と、Bさんはいきいきと語っていた。

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