転職で失敗する人にはどんな特徴があるか。3000人以上の転職・再就職をサポートしてきたCEAFOM代表の郡山史郎さんは「大企業でマネジメント職を務めてきた人ほど転職に失敗しやすい。大企業での実績やノウハウは、転職先では役に立たない」という――。(第1回)

※本稿は、郡山史郎『定年格差 70歳でも自分を活かせる人は何をやっているか』(青春新書インテリジェンス)の一部を再編集したものです。

ベンチに座っている落ち込んだアジアの実業家
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「中小企業に転職すればノウハウを活かせる」という勘違い

「それなりの大企業で役職も得た。中小企業に転職すれば、そのマネジメントのノウハウが活かせるのではないか?」

大企業の転職希望者がよく抱く夢がこれだ。

かつての高度成長期の頃ならば、まだまだ経営が未成熟な企業がそこかしこにあった。

だから、大きな組織やプロジェクトをまわすノウハウは、大企業でしか持ち得ない面が多かった。天下りのように中小企業で経営手腕をふるう。そんなセカンドキャリアのよきストーリーが聞こえる時代があったことは確かだ。

しかし時代は変わった。

大企業でしか経営やマネジメントのノウハウが積み上げられないことはもうない。むしろ形骸化した大企業よりも、1人で多くの業務に携わらざるを得ない中小企業のほうがよほど多能でハードなビジネスのノウハウが積める。

泥臭い営業も、エクセルやワードを使った資料づくりも、アポイントも、経費処理も、経営戦略も、部下の指導も、場合によってはパソコンのセッティングなどまで、1人でやるのが中小企業だ。

そう考えると、とくに大企業でマネジメント職を積んできた、役職が上の50代以上の人間ほど、厳しい現実が待っていると言える。

泥臭い営業は若手かあるいは外部に任せ、資料づくりやアポイントは長らく自分で手掛けたことはない。パソコンも満足に使えない。そのくせ、その場所でしか通用しないマネジメントを見当違いな場所で披露されるのは、中小企業にとってたまったものではないからだ。