毎日つらい、将来が不安だ、人がねたましい……なぜ、ネガティブな感情に支配されてしまうのか。アメリカの著述家・教育者・実業家のデール・カーネギー氏が語る「困難な時に味方になる言葉、心の持ち方」をお届けしよう――。
※本稿は、D・カーネギー『超訳 カーネギー 道は開ける エッセンシャル版』(弓場隆訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
整理整頓を心がける
さまざまな案件に関する書類が机の上に散らかっている人でも、重要案件だけを残して机の上をきれいに片づけると、仕事が以前よりもはかどる。それは効率よく働くための絶対条件だ。
整理整頓はビジネスの鉄則である。ところが多くのビジネスマンの机は、何週間もほったらかしの書類であふれているのが現状だ。そんな机を見るだけでも、ストレスがたまり、憂うつな気分になってしまう。未処理の案件が山積していることをたえず思い知らされると、心労が重なって血圧が上がり、心臓の調子を悪くし、胃潰瘍を患いかねない。
ペンシルベニア大学医学部のジョン・ストークス教授はアメリカ医師会の総会で、「やらなければならない案件がたくさんあって重苦しい気分になることが、精神を病んでしまう最大の原因のひとつだ」と指摘している。
時間に解決させる
ホープ教会のジョン・ミラー牧師はこう言っている。
「数年前、私は心の持ち方を変えることによって心配事をなくせることを発見した。心配事は自分の外部にあるのではなく自分の内面にあることに気づいたからだ。
やがて私は、時間が心配事の大半を解決していることがわかった。実際、1週間前に自分が何を心配していたかを思い出せないことがよくある。そこで私は、少なくとも1週間が経過するまでは問題について悩まないことにした。もちろん、1週間にわたって完全にそれを忘れられるわけではないが、1週間が経過するまではそれが心を占有しないようにした。その結果、9割の確率で1週間以内に問題が自然に消滅した」