振られた仕事はすぐに取り掛かってはいけない

こうした「残念な習慣」から脱却し、創造的に効率よく仕事を進めるには、次のような4つのポイントがあります。肝心なことは、タスクに着手する前に段取りをつけることです。

ポイント①:自分の仕事を重要度と緊急度とに分け、全体像を把握する

仕事には重要度の高いものから低いもの、そして時間的に緊急度の高いものから低いものまでが存在しています。仕事の要領が悪い人は、まず自身の仕事を整理する必要があります。

【図表】まず自身の仕事を整理する
図表=筆者作成

この時の優先順位ですが、<B象限>を最初に取り組み、次に<A象限>の仕事を手掛けます。重要なのに時間がある<A象限>の仕事は、大きな案件である可能性が高いので、時間を掛けて少しずつ取り組むように心掛けます。直前まで手つかずにいると、精緻に仕上げることができなくなります。

社内メールや電話、ビジネスチャットの返信に代表される<C象限>は、<B象限>や<A象限>に取り組んでいて集中できなくなった時に、気分転換を兼ねて済ませます。メールでよく利用する返信の文面はひな形をPCに記憶させておいて使うようにすれば、時間が節約できます。<D象限>の仕事はしなくて済む方法がないかを考え、極力排除していきましょう。

人には個別に、仕事に最も集中できる時間帯があります。自分が集中できる時間帯を把握し、その時間帯に<B象限>や<A象限>の仕事に振り向けます。昼食後の眠くなりやすい時間帯は会議やリモートミーティングを組み込むと、眠気がなくなり無駄なく効率化できます。

ゴールから逆算したほうがいい

ポイント②:ゴールから逆算して進捗を管理する

自分が手掛けている仕事の重要度と緊急度で分類ができたら、<B象限>と<A象限>の仕事を中心に作業スケジュール表をつくります。仕事の期限や締め切りをゴールに設定し、そこから逆算して作業項目とその内容を記していきます。

例えば企画書や報告書の作成、プレゼンテーションなら、「ゴール←リハーサル←ドキュメントの作成←目次づくり←上司やチームとの情報共有←仮説の検証←情報収集←仮説づくり←上司やチームとの事前確認」といった具合に逆算していきます。

同時並行でいくつも仕事が動いている場合には、不測の事態が起きた際のリスクヘッジとして、作業日数にはそれぞれ余裕を設けておきます。情報の共有化や報連相のための日程もあらかじめ設定しておき、事前に参加者と共有化しておきましょう。