「オレの気持ちを会社はわかってくれない、けど仕方ない」

「社会における反抗期問題」は先に挙げた疑問以外にも、さまざまな問題として感じられるようになっていきます。

「上司のやり方はもう古いのではないか?」
「今までのやり方よりも、このほうが効率的なんじゃないか?」
「新しい○○という方法を取り入れたほうがより生産性が上がるんじゃないか?」
「この会社のシステムはもう時代遅れだ。このままでは生き残れないんじゃないか?」

などの思いがどんどん強くなっていくのです。これは社会人として、あるいは組織人として、自分の意見を持ち、自信を持っている証拠で、それなりの実績や経験を糧に、自分なりのやり方や考え方を構築しはじめたことを表しています。

社会人としては実に素晴らしいことなのですが、とはいえ、そういう意見を持ったとしても、すぐに意見を通してくれる会社は少なく、たいていは否定されてしまうことになります。

すると、「オレの気持ちを会社はわかってくれない」となり、否定的な思いを持つようになりますし、そこから「独立して自分の会社をつくる!」という思いになればよいほうで、多くの人は「仕方がない。この会社は変わらない。ここにいるなら会社の方針に従うほかない」とあきらめてしまうものです。

ストレスのたまったビジネスマン
※写真はイメージです。(写真=iStock.com/kieferpix)

でも、それってすごくもったいないことですよね。

会社から離れるメリットとデメリットを冷静に考える

私は30歳前後のまさに社会人としての思春期を迎えた方からの相談を受けることが多いのですが、その都度、その思いに賞賛を送りつつ、次なる課題を提案しています。それはやはり自分軸という話で、自分をしっかりと持ちつつ、その会社とどうやって付き合っていくか? という方法です。

自分というものをきちんと持つことがやはり前提になります。そのうえで、今の組織について、あるいは今の会社のやり方について理解を深めます。思春期というのは悪く言えば短絡的な「正しさ」にこだわってしまうところで、融通が利きにくいところなのです。

したがって、なぜこの会社がその方法を取り入れているのか? そのメリットは何なのか? その方法が生み出す問題点は何なのか? について、まずは「理解」してみることが大切です。すると、メリットとデメリットが見つかってくるものです。