トイレで座るとき、スマートフォンを手に持つ人は要注意だ。肛門科医の佐々木みのりさんは「痔になっている人の多くに、トイレでの読書やスマートフォンいじりといった『ながらトイレ』習慣がある。トイレからは5分以内に出てきたほうがいい」という――。

※本稿は、佐々木みのり『痛み かゆみ 便秘に悩んだら オシリを洗うのはやめなさい』(あさ出版)の一部を再編集したものです。

トイレに座ってスマートフォンを触る男性
写真=iStock.com/Svitlana Hulko
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座っているだけでオシリがうっ血する

オシリのトラブルで来院される方には、必ず排便時のトイレの滞在時間を尋ねます。1回の滞在時間と、1日の合計時間です。

トイレ時間がいちばん長いのは、いぼ痔の方でした。1回平均30分前後、長い人だと1日の合計が6時間(1回当たりの最長時間は2時間)。もちろんトイレに入っている間、ずーっといきみ続けているわけではありません。本や雑誌を読んだり、スマートフォンをいじったりと、トイレで過ごす時間を楽しんでいるのです。

痔になっている人の多くに、トイレでの読書やスマートフォンいじりといった「ながらトイレ習慣」があります。

しかし、トイレでは椅子に座るのと違って、肛門が座面よりも下になります。ただ座っているだけでもオシリがうっ血し、無意識にいきんでしまっていることもあり、オシリに負担がかかります。トイレだと読書が進むという方もいらっしゃいますが、オシリのためにもトイレから出て読むほうがいいでしょう。

トイレは、原則5分以内が理想です。ドアを開けて、トイレに入り、用を足して、トイレから出るまでが5分です。トイレに砂時計やストップウォッチを置いておくのもいいですね。

意外と意識していないトイレ時間。一度測ってみてください。