便意を我慢する状態が長く続くと肛門が緩くなる
便意を我慢して直腸に便が溜まった状態だと、排便反射によってオシリの穴が緩んだままになります。このような状態が長期にわたって続くと、肛門のしまりが悪くなってしまうのです。
ちょっとの我慢が肛門のしまりを悪くしてしまうなんて、誰も想像しないでしょう。自分の都合を押しつけた結果が、オシリの悪状況として現れるともいえます。もう少し、オシリの都合にも合わせてあげましょう。
行きたくなったらすぐにトイレに行くことが理想です。
我慢できないギリギリまで待たず、「あっ!」と思ったらすぐにトイレに向かいましょう。便がスッキリ出るはずです。
自分がスムーズに排便できる姿勢を見つける
スムーズな排便の姿勢としてよくオススメされているのが、ロダンの「考える人」のポーズです。
この姿勢をとると、直腸と肛門の角度が真っ直ぐになり便が出やすいからです。医学的には正解なので、大多数の人はこの姿勢でいいのかもしれません。
しかし、来院される方の中には、「考える人」の姿勢だとかえって便が出にくい、便が残る感じがすると訴える人が結構いらっしゃいます。
上体を前屈みにするよりも真っ直ぐのほうがいい、あるいは、のけぞった姿勢にすると最後の「ひと出し」が出てスッキリするという方もいらっしゃいます。そんなに人によって違うのか、と思うかもしれませんが、実際に、肛門から指を入れて診察すると、直腸と肛門の角度や腸の大きさと形は、十人十色。あなたが便を出しやすければ、その姿勢が正解なのです。オススメされている方法が合わないときは、いろいろ試してみるといいでしょう。
「考える人」の姿勢で便が出にくい人は、かかとを少し持ち上げるのではなく、足の裏全体がしっかり床につくようにして、下半身を脱力してみてください。足の裏全体が床につかない場合は、足台や段ボール箱などで高さを調節してください。
かかとを浮かすと脚自体に力が入ってしまうため、余計な力を抜くことが大切だと私は考えています。足の裏全体をしっかり床につけたことで、便がスッキリ出やすくなったと大勢の方にご報告いただきました。
実際、スムーズに便が出るためオシリにかかる負担も少なくなります。