常に存在し続けるコロナを特別視せず、カゼのひとつとして診療所や病院を受診することを通常のものとして受け入れていきましょう。人知れず陽性の人々がたくさんいるのです。私たちは、社会不安を起こすだけ起こしまくった政府分科会などのコロナ専門家たちの罪を昔のものとして忘れていかないといけません。それが観測された事実からの未来の姿です。

治療にシフトし始めた政府

遅ればせながら現状に対応するために政府は、コロナ専門家と距離を起き治療にシフトし始めました。菅首相は8月13日、「酸素ステーション」や「抗体カクテル療法」の拠点整備を進めると発表しました。外来で抗体カクテル療法も行われます。主治医のもとで治療を行うのなら、管理者は保健所のままでは矛盾が生じます。

菅首相は8月17日の記者会見では、「医療体制の構築」「感染防止対策」「ワクチン」を3本の柱として対策を進めると表明しました。政府分科会の「感染防止対策」「ワクチン」よりも、「医療体制の確保」を上位に盛り込みました。8月25日の記者会見でも医療体制拡充や治療薬が主な話題になっていました(注14)

高価なPCRの代わりに安価な簡易抗原検査や治療を保険診療で行い、悪化した際のCT検査や高額な点滴治療や入院治療を公費負担とすれば私たちの負担もインフル並みに少なく済みます。政府も簡易抗原検査を学校などに配布することを表明しています。

いつまでも実現不能なゼロコロナ理想論をもとに社会を破壊する人々とたもとを分つことは良いことです。治療に軸足を置いて独自に社会の正常化を一歩ずつ進めている政府と東京都を私は評価して良いと思っています。これ以上失うものや損害が広がらないで済むだけでなく安心につながります。それがマネジメントだと思います。

患者の手を握って励ます女性医師
写真=iStock.com/Cameravit
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全体主義に利用されてはいけない 

私たちの治療には見向きもしないコロナ専門家は、コロナを使った法改正にはとても意欲的です。

昨年、保健所の指示に逆らうと刑事罰を行う特措法が検討されていました(注15)。「尾身会長『個人の行動制限可能にする法的仕組み検討の意見も』」(注16)と報じられ、政治家からは改憲論まで出る始末です。陽性者隔離に続き、ワクチンの接種証明を使った経済活動再開のルールも模索しています。接種有無で差別が助長されかねません。(注17)

彼らコロナ専門家は、当初から国民全体に有無を言わさず同じ対策をとらせました。今もなぜ治療を放置して社会分断や全体主義を推進する法改正には熱心なのでしょう? 被害とリンク切れした陽性者数をもとに、私権を制限する法改正は必要ありません。