4タイプの中で「正社員になりやすい人・なりにくい人」の特徴

③夢追いタイプ

若い時代に、競争が激しく、運に影響される要素が強い職業(例えば、お笑い芸人やミュージシャン、俳優など)で頑張りながら、生活のために派遣やアルバイト、パートなどを短期間で離転職を繰り返していた方々です。自身の強みや経験を話すことができますが、企業で働いていた経験が乏しく、スキルにおいては一定の課題がある方々です。

④日暮しタイプ

特に何か夢を持って頑張ってきた経験や就業経験が乏しく、働くことに対して意欲が低い方々です。

氷河期世代への支援といっても、これらの4タイプごとで本来、支援のアプローチは変えていくことが必要です。

タイプ①の方々は、スキルや経験もあり、正社員になることへの意欲も高いため、マッチングイベントなどの機会を増やすことが正社員化につながるといえます。例えば、非正規雇用であっても、さまざまな会社で、人事、経理、総務などを一通り経験している場合、中小企業のように一人で幅広い仕事をすることが求められる職場では、複数の部署で働いた経験が活かせる場合もあります。

高層ビルを見上げる男性
写真=iStock.com/bee32
※写真はイメージです

一方、対極的なタイプ④の方々は、経験と意欲いずれも乏しいため、より手厚い特別な就労支援が必要ですが、自治体などからの支援が得られやすい方々ともいえます。

支援から抜け落ちてしまいそうな心配なタイプの人とは

少し心配なのは残りのタイプ②とタイプ③の方々です。意欲やスキルのいずれかが乏しい方々ですが、①や④の方に比べると、自治体などの支援からは抜け落ちてしまう可能性が懸念されます。

②の方々については、氷河期世代向けのイベントが開催されても、イベントに参加をする自信がない、会場内で企業の面接官にアピールする自信がない、あるいは、職場を休むと生活費の負担が重くなってしまうため就職活動をすること自体が難しい方々もいます。そのような方々のためには、イベント会場でキャリアコンサルタントに同席してもらう形で企業との面談を行うといった伴走型支援や、オンラインなどを通じた効率的なマッチングの支援が必要だといえます。

③の方々については、自分の経験や強みを話すことができる方々ですので、そのポテンシャルを踏まえ、採用したいと考える企業は少なくないと考えます。ただし、企業で働いた経験は乏しく、ビジネススキルが不足している可能性があるため、人材派遣会社あるいは採用を行った企業側で、ビジネススキルの教育支援が必要だといえます。

一概に不本意非正規の氷河期世代といっても、多様であるため、正規雇用への動きを加速するならば、タイプごとにより決め細やか支援を行っていくことが重要だと考えます。