「何としても予約したい」
これまで新型コロナウイルスのワクチン接種の予約には苦戦を強いられてきた。私は、反ワクチン論者でもないし、注射が極端に怖いわけではなかった。できるだけ「早く打ちたい」と考えていた。よって、大規模会場の接種予約をしようとしたのだが、予約ができない状態が長く続いたのだ。
大規模接種会場だけではない。自治体接種の予約も困難を極めた。私が住む自治体(東京23区内)も「60歳から64歳の方」「基礎疾患を有する方」を「高齢者に次ぐ接種順位」としていたこともあり、私の年代(30代後半)の者は、予約は7月末からとなった。「大規模が無理なら、自治体接種だ」ということで「何としても予約したい」という思いで、その日に臨んだ。
予約受付開始の午前9時には、パソコン前に座り、臨戦態勢に。そして9時になるや、すぐさま、予約サイトに入り、接種券番号を入力した。しかし、大規模接種会場の予約サイトとはサイトの入力方法が異なったところもあり、戸惑ってしまう。
特に希望する接種会場を選ぶ時に、どこのボタンを押して次にいけば良いのかに迷ってしまい、時間をとられてしまった。「やっとできた」と思い、予約できる画面に入ると、既に8月はバツ印で埋まっていた。つまり、先客に予約されてしまったのだ。
遅かったか……。期待が高まっていただけに、悔しい思いがこみ上げてきた。大事なゲームに負けたような、そんな気分であった。
あの時、接種会場選びに戸惑わなければ、と自分を責めた。だが、もう後の祭りである。自治体がダメなら「病院・クリニックでの個別接種はどうだ」と10以上の病院のホームページにいっても、ワクチンの供給不足のため「新規予約は中止しています」のオンパレードだった。こうなれば、また、大規模接種会場の予約に頼るしかないと思い直し、私は再び、東京・大手町の大規模接種会場の予約に挑戦するのである。
争奪戦と化すワクチン予約
私は既に7月ごろから、毎週1回の受付日には大規模接種会場の予約サイトにいき、予約を試みていた。しかし、受付時間の18時にサイトにいっても、混雑しているようで、ある時には「待合室」なる所に通されて、パソコン画面が切り替わったと思うと「受付は終了しました」との文字が毎度のように現れた。
所持するWi-Fiの速度が遅いのが予約できない理由と考え、時にはチェーン店カフェにいき、カフェのWi-Fiを使い、予約しようともした。これは妻からの助言である。ところが、予約受付時間の18時に受付サイトにいっても、結果は家と変わらなかった。大規模接種会場は、全国から接種者を受け付けているので、予約争奪戦になっているものと思われた。人気歌手のコンサートチケットを入手するのと同じくらい困難という声もある。