独身、44歳の正社員の場合

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44歳・正社員。独身。賃貸マンションに一人暮らし。大学卒業後、同じ会社で働く。親は遠方に住んでいて援助は期待できない。貯金は600万円ある。
元気な40代のうちに自分の可能性を広げておこう

大学卒業後に就職した会社で正社員として働く44歳のD子さん。今後のキャリアアップを考えないと、これからの会社での立ち位置は微妙なものになりそうです。今のキャリアのまま、同じ会社で定年まで働くのか、またはスキルを磨き、管理職を目指すのか、悩みどころです。後者の場合、転職という選択肢もあり、年収が増えるチャンスも広がります。

井戸美枝『私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?』(日本実業出版社)
井戸美枝『私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?』(日本実業出版社)

年収と同時に変わるのは将来の年金額。例えばキャリアを積み重ね、50歳で年収400万円に、さらに管理職として転職し、65歳まで年収600万円で働く、そんな風に大きくキャリアを飛躍させることができれば、年金額も184万2500円に増えます。家の購入を検討しているとのことですが、キャリアアップに成功すれば、住宅ローンの支払いもかなり楽になります。安定した会社員でいると、今のままでもいいかな、と思いがちですが、退職後の生活を考える上でも、40代でのキャリアアップは考えてみてもよいかもしれません。

または今後のことを考えると、会社員としての給与以外に収入源を見つけておくのも一つの手。例えば副業がOKの会社ならば、自分の得意なことや趣味を生かした職業にチャレンジしてみるのもいいでしょう。元気な40代のうちに自分の可能性をできるだけ広げておけるといいですね。

出典=井戸美枝『私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?』(日本実業出版社)より
出所=井戸美枝『私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?』(日本実業出版社)より

44歳シングルマザー、養育費が滞納……

E子さんPLOFILE
44歳・シングルマザー。4年前に離婚し、子どもとふたり賃貸マンションに暮らす。養育費は滞納され、スーパーのパート収入でやりくりしている。
自分の強みや得意なことを見極め未経験の仕事にチャレンジ

専門学校卒業後から結婚するまでアルバイトで働いていたE子さん。40歳から始めたパート先で厚生年金に加入できたものの、この先の人生を考えると、もう少し年収を増やしておきたいところ。お子様が今度、中学校にあがるとのこと。少し手が離れたこの時期に新しいキャリアへの道筋をつけておくことをおすすめします。

事務職などの仕事経験がないならば、内勤以外の仕事を視野に入れてみることも検討を。実は手先が器用で、背も高いE子さんは以前からガテン系の仕事への憧れがあったとか。それを叶えるべく、まずはパート先をいったん退職し、失業給付を受けながら、職業訓練校で内装工事の技術を身につけ、45歳で内装工事会社に就職するというプランも考えられます。

職業訓練に通うことになった場合、訓練期間中に所定給付日数がなくなる場合は、訓練終了まで支給が延長されます。65歳まで働けば、厚生年金分を大幅に増やすことができます。

未経験の仕事について「やったことがないので無理!」とすぐに諦めてしまうのは禁物。40代は新しいことにチャレンジできる世代です。職業訓練校など公的な機関を活用しながら、賢くキャリアをシフトしていきましょう。

出典=井戸美枝『私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?』(日本実業出版社)より
出所=井戸美枝『私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?』(日本実業出版社)より