金メダル「獲得率」の高さは世界一
国民1人あたりのオリンピック金メダルの獲得数がこの国より多い国は世界でたった2カ国しかなく、夏季オリンピックの開催経験がない国としてはメダル数が最多の国だということが、その説明になるかもしれません。
特に、スポーツのなかでも「水球」は突出しています。オリンピックの金メダル獲得数(9個)、ならびにメダルの総獲得数(15個)ともに世界一です。また、競泳女子のホッスー・カティンカ選手は、2016年リオオリンピックにおいて3種目で金メダルを獲得し、世界中を驚かせました。
世界中で歴史的な業績を残すハンガリー人たち
生来の競争力のゆえに、ハンガリー人は世界に飛び出して、スポーツにとどまらず科学や技術、医学の分野で成功しています。移民として様々な分野で偉業を成し遂げたハンガリー人には、名前だけで功績がわかる人もいます。
たとえば、ボールペンを発明し、その商標(biro)が一部の国でボールペン一般を指す名詞となっているビーロー・ラースロー。
ピューリッツァー賞を創設したジョーゼフ・ピューリッツァー。
ルービック・キューブを考案した建築学者のルビク・エルネー。
現代のコンピューター科学に貢献した人物としては、初期のコンピューター開発に寄与したジョン・フォン・ノイマンから、マイクロソフト社のWordとExcelのソフトの開発を率いたチャールズ・シモニーまで多数。
医療の分野では、ビタミンCを発見したセント=ジェルジ・アルベルトなど。
1930年代から40年代にかけて、あまりにも多くのハンガリー系の移民が科学者として名を上げたため、ひとまとめに「火星人」というニックネームを獲得しました。
名づけたのは、その一員で核物理学の先駆者であるレオ・シラードで、「地球外生命体」についての質問に、気の利いた答えを返しました。
「彼らは私たちの中にまぎれています。自分のことをハンガリー人と呼んでいますよ」