将来的には先頭車も含めた遠隔運転も可能に

全体として車列が短くなれば、渋滞の緩和にもつながる。個々の車両間で連絡がない現状では、先行車両が速度を落とすと、後続車両は衝突を避けるため、先行車両の減速よりもさらに速度を落とすので、渋滞の原因となる。

しかしCACCでは隊列で一体的に加速や減速が行われるため、渋滞が起こりにくくなる。さらに、隊列走行の技術を応用すれば、運転の状況を外部の運行管制センターから遠隔監視することが可能となり、安全運転の確認や、配送状況の確認にも役に立つ。

さらに技術が進めば、遠隔操作で運転をコントロールすることにより、先頭車も含めた遠隔運転が可能となる。隊列走行車には様々なセンサーや制御装置が搭載されている。隊列走行車が個別に走行する場合も、こうしたセンサーや装置を利用して無駄な運転操作をなくし、経済的な省エネ運転が可能となる。

目的地がバラバラな乗用車と違って、特定の都市間の物流を担う運輸業界は、隊列走行のメリットは大きいと期待している。現状では主に、高速道路での利用が想定されている。

KDDI 名古屋ネットワークセンターの一室に設置された遠隔管制卓
提供=KDDI
KDDIは愛知県で5Gを活用した乗用車の遠隔型自動運転実証実験を実施

ドイツやアメリカなど各地で実証実験が行われている

「プラトーン」という軍隊用語がある。小隊という意味だ。これを踏まえ、縦列を組んでの走行技術が、海外ではプラトゥーニング・テクノロジーと呼ばれるようになった。時期的に最も早く研究が始まったのはアウトバーンのあるドイツで、2005年からドイツ運輸省とアーヘン工科大学が中心となり、トラック4台による隊列走行の実験が始まった。近年、EUでは複数のプロジェクトが開始され、異なったブランドのトラックによる有人隊列走行実験が続いている。

フリーウェイの発達したアメリカでは、すでに実用化の段階に入っている。日本のデンソーや三井物産も出資するPeloton Technology(ペロトン・テクノロジー)社は、同一ブランドのトラック2台が利用可能な隊列走行技術を2019年から商用化している。同社のウェブサイトによれば、トラック2台を最短40フィート(約12メートル)の車間距離で電子連結して走らせた場合、2台を平均すると7.25%の燃料節約効果があるとPRしている。後続車は運転手によるハンドル保持が必要で、省エネ対策に主眼が置かれている。

ユニークなのは、クラウドベースのネットワークを使って、同社のシステムを導入している走行中のトラックに対し、ペアリングが可能と判断されれば双方に通知されることだ。ドライバーどうしが無線で連絡を取り合って、その場で隊列を形成できるのだ。もちろんプラトゥーニングを事前に計画することも可能である。