東大生は「自分で受験勉強を組み立てていた」

やあ、こんにちは。僕は西村ベーカリーの店長。さっきちらっと出てきたね。この「店長のひとこと」では、僕が勉強に関する話をしていくよ。

実は僕、ベーカリーを経営しながら、とある大学で教授もしているんだ。僕の研究室には東大・京大生なんかがよく遊びにくるんだけど、彼らに「高校生時代に何を考え、どう勉強していたか」って聞いたことがあるんだよね。いろいろ話を聴いていく中で、彼らが他大の学生と一番違っていると感じたのは、自分の頭で考えて受験勉強を組み立てていたというところなんだ。

船登惟希(著)・usi(著、イラスト)『行きたい大学に行くための勉強法がマンガでわかる 高校一冊目の参考書』(KADOKAWA)
船登惟希(著)・usi(マンガ)『行きたい大学に行くための勉強法がマンガでわかる 高校一冊目の参考書』(KADOKAWA)

誰かの意見に流されて意思決定したことは、本当にビックリするくらいないようでね。ネットの情報はもちろんのこと、先生や先輩からのアドバイスも鵜呑みにするんじゃなくて、自分で試し、本当に成果が出るか確かめる、といった方法で勉強していたようなんだ。

僕も東大出身だけどね、確かにそうだったなって思ったよ。東大生や京大生の個人的な成功体験を鵜呑みにするより、いろんな人の意見を聴いて共通項を見つけた方が、より真理に近いような気がするね。

でね、「自分の頭で考えられるのは、もともと頭がいいからじゃないか」って言う人がいるんだけど、そうではなくて、どちらかといえばストレスに対して敏感だから結果として自分の頭で考えているんじゃないかなと思うんだよね。知らないことをそのまま取り入れたり、非効率なことを続けたり、自己コントロール感を失うような感覚になったりすることが苦痛っていう感じかな。

勉強法に対して「疑う姿勢」を持つ

自分の頭で考えて受験勉強を組み立てるために必要なのは、疑う姿勢。何も疑わずに鵜呑みにしてしまっていることがあったら必ず疑ってみよう。

思い込み①「難しい問題集をやれば成長する」→人間はすでに持つ知識と関連付けて新しい知識を取り入れるため、理解できない問題・問題集を解いても非効率である。

思い込み②「薄い参考書の方が最小限の努力で知識が身につく」→長期記憶するためには有意味暗記することが鍵だと科学的に知られている。そのため、説明が多い(結果的に比較的分厚い)参考書を使った方がよい。

思い込み③「とにかく難しい問題に取り組めば力がつく」→どんなに頭をひねらせても、その問題を解くのに必要な知識や考え方がなければ手も足も出ない。

思い込み④「ただ繰り返し解けばよい」→無意識的な学習は効果が低い。意識的な学習を繰り返した上で、最終的に自動化することが重要。何を学ぶのか、何に注意するのかを意識化・言語化しながら演習すべき。

思い込み⑤「とにかく塾に通えば成績は伸びる」→塾に行って講義を受講する、といったようなインプット中心の学習は、非効率であることが科学的に知られている。想起学習という、記憶を想起する学習を行うことが効果的。

このようなたくさんの間違った思い込みが存在していて、その数が多いほど、非効率的な学習をしていることになるんだ。

そうならないように、やっただけ成績が上がるように、この本ではサクマくんが、科学的な裏付けがあって、成果も出る勉強法や参考書を紹介してくれることになってる。どうして僕がこんな予言者みたいなことを言うかって? まぁ、そんなことはいいじゃないか。

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