大谷翔平が10年前、高1時に書いた81マスの「マンダラの約束」

佐々木監督が同校野球部の指導を始めたのは2004年。以後17年間で春夏あわせて11回も甲子園出場を果たしているが、基本的に岩手県内出身の選手だけでチームをつくることを方針としている。ごく少数、県外出身選手もいるが、OBの推薦があった者だけで、他県から有力選手をスカウトすることはない。その点からも勝利だけを追求する監督ではないことがわかる。

地図上の岩手県の位置
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それで甲子園出場を積み重ねる手腕は見事というしかないが、部員たちの技術を向上させて勝てるチームをつくるだけでなく、「人生で成功する人材を育てる指導」をしているところに多くの高校野球部監督や教育関係者が一目も二目も置いている。

それを象徴する指導のひとつが、1年生部員たちに作成させる「目標達成シート」。ビジネスでも活用されることがある「マンダラチャート」に近いものだ。仏教(密教)の世界観を表す曼陀羅図を目的達成に応用した技法である。

シートには9×9の合計81個のマス目が書かれている。まず中心にあるマスに自分が達成したい「大きな目標」を記入する。そのマスを取り囲む8つのブロックには、その目標達成に必要な要素を埋める。

大谷本人にとっては「すべてが計画通り進んでいる」

さらにその要素の外側の9マスには、要素を満たすための近い目標や日々行うべきことを書き込む。それらを意識し行うよう心がけることで、必要な要素が満たされ、中心にある最終的な目標の達成に近づけるというわけだ。

佐々木監督は、このマンダラチャートを野球部員たちの目標達成や技術向上、そして人間形成や自立心養成などのために取り入れた。

約10年前、大谷が高校1年時に作成した「目標達成シート」が公開されているので、改めてチェックしてみた。すると、驚くべき発見があった。「だから大谷正平は全米で注目される選手になった」ということがわかるのだ。大ブレークに目がテンの人も多いが、大谷本人にしてみれば、「すべては計画通り進んでいる」ということかもしれない。