話したかったら、相談事から
というわけで、思春期の娘には、少し遠巻きでいてあげてほしい。話しかけるときは、5W1Hは厳禁と心得て。学校や友だちのことを根掘り葉掘り聞いたり、娘のスマホを覗き見て、「そのアプリ何?」と尋ねたりしないことだ。娘の理解できないファッションにも「何だそれ?」なんて言ってはいけない。気になることがあったら、妻に任せること。父親は、あくまでも全幅の信頼を寄せている態を装ったほうがいい。
かといって、「娘の変化点に気づいて、ことばにする」と、キモいと言われる。話の呼び水を使っても、ほぼ100%スルーされる。
そんな場合の、とっておきの奥義がある。「相談事」を持ちかけるのである。「ママへ花束を贈ろうと思うんだけど、何色の花がいいかな?」とか「会社の若い女の子にこんなこと言われたんだけど、意味がわからないんだ」とか、「菅首相って、若い人たちはどう思ってるの?」とか。相談事は、相手への好奇心と信頼を同時に感じさせる。5W1Hの質問が、好奇心とマウンティングを感じさせるのとは対極的に。お試しあれ。