夫の言うことを深読みしない

ここには、二つの教訓がある。夫は、妻に、いきなり5W1Hで話しかけてはいけない。

そして、妻は、夫のことばを裏読みしてはいけない。

「おかず、これだけ?」も「おかず、これだけ?(じゃ、これで、ご飯2杯食べられるように工夫するね)」なのである。「おかず、これだけ?(一日家にいて、これっぽっちかよ)」なんて言ってない。万が一、皮肉だったとしても、「そうよ。卵でもかける? ふりかけもあるわよ」と明るく応えれば、皮肉は宙に浮かんで、消えてしまう。

夫の言うことを深読みしない。それだけで、家庭が一段、明るくなる。ぜひ、お試しください。

もちろん、夫である人は、“心の通わない対話”を誘発してしまう5W1Hに気をつけて。

黒川伊保子『不機嫌のトリセツ』(河出新書)
黒川伊保子『不機嫌のトリセツ』(河出新書)

家にいる夫が、出かける妻に「どこ行くの? 何時に帰る?」と聞くのもご法度。

実はこの質問、夫の定年退職後に、妻の心拍数が最も上がる質問と言われているくらいだ。つまり、ストレスが高い質問。「家にいるべき主婦が、ふらふらどこへ行く?」と聞こえるのだそう。

化粧してよそ行きに着替えた妻には、「きれいだね」と声をかけよう。「出かけるの? 楽しんでおいで」と微笑めば、向こうから「デパートに行ってくる。何か美味しいもの買って、夕方には帰るね」と優しく言ってくれるはず。

もちろん、「お母さんの七回忌、いつだっけ?」とか「バターはどこ?」のような、第三者が主語の5W1Hに関しては、この限りではない。妻が主語の、“いきなりの5W1H”だけ、気をつければいいだけだ。

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