「もうダメだ…」は「思考停止」でしかない

人生においては「もうダメだ」というお手上げの状態になることがある。しかし、冷静かつ客観的に見れば、本当の意味で「お手上げ」という状況は、そう多くはないと思う。

私の道場にはオリンピック選手やプロレス選手なども遊びに来る。サラリーマンや会社を経営している人もいる。そんなことから、実にいろいろな相談をされるのだが、「にっちもさっちもいかない」と本人が語る悩みを聞いてみれば、まだ「お手上げ」というところにまでは行っていないなと感じることも少なくない。

本当の「お手上げ」状態とは、命が関わっている状況以外はそうそうあるものではない。

「お手上げ」といっている人は、もうダメだと思い込み、思考停止になっていることが多いのだ。何もしないから「お手上げ」になってしまっていることに本人は気づいていない。

「小さな気づき」から突破口が開ける

どんな問題にせよ、必死になれば突破口は見つかる。あきらめてはいけない。粘り強く探せば、小さなきっかけのようなものがどこかに必ず見えてくる。それが突破口になる。

桜井章一『運に選ばれる生き方』(プレジデント社)
桜井章一『運に選ばれる生き方』(プレジデント社)

厳しい状況の中でも突破口を見つけるには、普段から小さなことにも気づく感性を磨いておく必要がある。

「小さな気づき」は、運を呼び込むきっかけになりうる。しかし、視界に大きく入ってくるものにしか気が向かないような生き方をしていれば、感性はどんどんにぶっていってしまう。

気づきのない人に運がやって来ることはない。

小さなことに気づくといっても、それは、神経質に小さなところばかり見るという意味ではない。ゆったりと構え、ものごとを全体でとらえながら、同時に小さなことにも気づく。

そのようなスタンスを理想にしてほしい。

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