わからなくて当然なのに、知ったかぶりをする
2つめの共通点は、知ったかぶりをするということです。
入社1〜2年目の社員は、仕事のことを知らない、わからないのが当然です。多くの場合、周囲も、知らない、わからないものと考えていますので、素直に教えてもらう姿勢が大切です。所属が変われば、解釈や方法が変わる可能性もありますので、知っていたことであっても、一度きちんと教わったほうがいいのです。
たとえ、知っていたりわかっていたりしたとしても、周囲にとっては単なる驚きであり、あなたが優秀だという評価にはつながりません。なぜならば、社会人は知っていることや、わかっていることではなく「態度・行動・結果」で評価されるからです。
また、知らないことやわからないことを聞くことが許されるのは、若手社員の特権です。この時期、素直に聞けない人は、この先も聞くことができるようになりません。この時期は、わからないことをいろいろ聞くことで、上手に質問をする技術が身につく時期でもあるのです。知ったかぶりは、その全ての機会を逃してしまいます。
そのような若者に限って、上司は私を分かってくれない、認めてくれない、教えてくれない等々言いがちです。でも、求められるのは、先輩たちが、教えたくなる、優しくしたくなる後輩なのです。
まずは仕事に対する前向きな姿勢を褒める
では、どうすれば、このような新人社員も辞めずに働き続けることができるのでしょうか。数年後には立派な先輩社員になってもらえるのでしょうか。
それは、若手社員をたくさん褒めることです。本来であれば、仕事の成果やうまくできたことを褒めたいですが、まずは、仕事に対する前向きな姿勢、やる気のある部分を褒めましょう。褒められた人は嬉しく感じ、自尊心が満たされます。自己肯定感が上がり、他人と自分を比べることに固執しなくなります。
実際に結果がでたときは、そこをしっかり具体的に褒めてあげましょう。褒めるときは、恥ずかしがらずに、他人の前でも褒めましょう。褒められて承認欲求が満たされた人は、物事をポジティブに考え行動することができるようになります。そして、自発的に動き、もっと小さい成功体験を積み重ねられるようになるのです。
本人が自己成長を自覚できるようになれば、おのずと仕事にやりがいを感じるようになります。そうすれば、わからないことを先輩に聞いて解決することは、仕事の成功や結果を出すためには些細なことであるとわかり、上手に周囲の人に聞くことができるようになるでしょう。
このような話をすると、「褒めるところがない新人はどうするのか?」と、聞かれます。その時は、その社員の姿勢、気持ち、やろうとしている部分を見つけ、そこに「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えましょう。