2019年は「テーマパーク」のような展示内容になった

がけっぷちにあった前回の東京モーターショーは展示内容が大きく変わった。ひとことでいえば「テーマパーク」のような展示になったのだ。「OPEN FUTURE」をテーマに、自動車だけでなく未来の暮らしや街にまで領域を広げ、体験型プログラムを充実させた。たとえばトヨタのブースには、量産モデルは1台も置かれなかった。60年以上続いた“新車のお披露目”という方針からの大転換だ。

この結果、2019年の東京モーターショーの総来場者数は130万900人で、前々回の77万1200人を大きく上回った。数字から言えば大成功だったといえる。

欧米のモーターショーも苦戦中

モーターショーが苦しいのは日本だけではない。欧米での名だたるモーターショーも、同じように苦戦中だ。昭和から平成にかけて、「世界5大モーターショー」と呼ばれてもてはやされたのが、東京、デトロイト、ジュネーブ、フランクフルト、パリの5都市のモーターショーであった。

この中で、フランクフルトとパリのモーターショーは2018年ごろから、ドイツ・メーカーとフランス・メーカーが相手国への参加を見送るようになる。そのためフランクフルトもパリも、自国ブランド中心の国内イベントのような雰囲気に。その結果、フランクフルトでのモーターショー開催は2019年で終了した。開催地をミュンヘンに変え、2021年より再スタートが切られることになったのだ。

2018年パリのモーターショー
写真=鈴木ケンイチ
2018年パリのモーターショー

一方、北米で100年以上の歴史を誇るのがデトロイトのモーターショーだ。ところが、近年になって同時期(1月)にラスベガスで開催されるIT系展示会のCESの人気が高まるにつれ、存在感は低下することに。2020年よりデトロイトは開催時期を6月にずらすことになってしまった。クルマからITへ。時代の移り変わりを感じさせるトピックとなったのだ。

2017年デトロイトのモーターショー
写真=鈴木ケンイチ
2017年デトロイトのモーターショー
2019年に開催されたCES
写真=鈴木ケンイチ
2019年に開催されたCES

ちなみに、2020年に開催予定であったデトロイトとパリのショーは、コロナ禍により開催中止になった。2020年のジュネーブは、直前にリアルでの開催を中止にして、急遽、オンライン開催に変更した。コロナ禍収束の先行きが不透明な現状では、2021年のミュンヘンのモーターショーの開催も楽観視はできない。落ち目になったところでコロナ禍に襲われたモーターショー。まさに泣き面にハチという状態だ。