経済指標などとの連動を狙う「インデックス投資」は、投資の初心者に向いているといわれる。しかし農林中金バリューインベストメンツ最高投資責任者の奥野一成氏は「インデックス投資だけでは成長機会を逃してしまう。企業を一社ずつ調べるアクティブ投資も検討してほしい」という――。
株式投資のリターンは「経済的リターン」だけではない
前回、長期投資で利益を得るためには、投資先企業個々の利益増大という「裏付け」が必要であると述べました。
私たちは、投資先企業について、世界中を飛び回り、経営者と面談したり、工場見学をしたり、競合企業にも話を聞きに行ったりしながら、一つひとつその裏付けを確認しています。現在はコロナ禍のためZoomや電話会議での情報収集になっていますが、絶え間なくこのプロセスを回すことで、投資先企業が将来も儲かり続けるという「仮説」を、一本一本ネジを締めるかのように地道に検証しています。
私は、30年近いマーケット経験、十数年に渡る長期厳選投資の経験から、このやり方で合理的なリスクを取りながら長期的に十分な経済的リターンを上げていくことに自信を持っています。そして、この投資手法には、経済的リターン以外にも確実に得られるリターンがあります。
それはビジネスパーソンとしての「学び」です。投資先を厳選するアクティブ投資を通じて学びを得ることで、あなたはビジネスパーソンとして、一段も二段も飛躍できることでしょう。