中学・高校の部活動は「外部スタッフ」を有効活用せよ

実は学習指導要領で部活動は教育課程外の自主的・自発的な活動だと位置づけられており、教員が常に帯同する必要はない。そのため、前出の岡崎城西チアリーディング部の顧問のようにほとんど顔を出さない教員がいる一方で、毎日熱血指導をしている教員もいる。

スポーツ庁が2018年3月に策定・公表した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」では、「地域のスポーツ団体との連携、保護者の理解と協力、民間事業者の活用等による、学校と地域が共に子供を育てるという視点に立った、学校と地域が協働・融合した形での地域におけるスポーツ環境整備を進める」と記された項目もある。

そもそも学校の部活動はコーチ(顧問の教員、部活動指導員、外部指導者)によって、指導力の幅が大きい。また各自治体、学校で施設の状況も大きく異なる。外部指導者のような専門スタッフがいるチームは独自でやればいいが、問題はそうした存在がいないケースだ。

その場合、各地域で外部指導者を“シェア”することも考えたほうがいいだろう。各地域でその競技に精通する外部指導者を雇い、月に1~2回、土曜日に各校の選手が集まり、合同で練習するのだ(人数が多い場合は参加できる人数を決めてもいい)。安全面での注意点はもちろん、専門的なトレーニング方法などを学び、各学校に持ち帰ることができる。顧問の教員も必要に応じて勉強が可能になる。

元選手の中には指導者をやってみたいと考えている人は少なくない。指導者になりたい元選手と、専門的な指導者を探している学校。実は両方ともニーズがあるのだ。学校側は外部コーチを内々で探すことが多いが、一般公募すればいい。近年は外部コーチを派遣する会社も出てきており、必要な人材を確保するのはさほど難しくなくなっている。

チアリーダーのシルエット
写真=iStock.com/ChrisGorgio
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中学・高校ではそれぞれの科目を専門教員が授業を担うが、部活動はそうではない。選手の気持ちを考えても、競技の知識が未熟な先生に教えてもらうよりも、例えば、日本トップクラスだった元選手に月に数回でも指導を受けられたほうがありがたいに決まっている。とにかく人材を有効的に使うことを考えるべきだろう。

顧問の教員、単独で生徒を引率できる部活動指導員、競技面に精通している外部指導者、それから生徒たちの自主性。これらをうまく活用することができれば、日本の部活動のレベルはさらに上がるのではないか。強豪校に行かなくても、才能を伸ばすことも可能になるだろうし、教員の負担も軽減できるはずだ。

学校関係者は生徒と教員、それからスポーツ指導者を志す者たちのために、柔軟な考えで対応することを望む。

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