米軍司令官は「台湾侵攻は6年以内」と明言した

菅義偉首相とバイデン米大統領による初の日米首脳会談後の共同声明に「台湾」の二文字が52年ぶりに書き込まれ、にわかに注目される台湾有事の発生。米国のインド太平洋軍司令官は、中国による台湾侵攻を「6年以内」と明言する。コトは遠い未来の話ではないようだ。

ワシントンで行われた日米首脳会談
首相官邸のホームページより
ワシントンで行われた日米首脳会談

共同声明には《台湾海峡の平和と安定の重要性を強調する》とあり、日米が連携して抑止する、つまり台湾有事の未然防止に努めると解釈できる。その一方で抑止が破られた場合、台湾海峡の《平和と安定》のために武力の行使も厭わないと読むこともできる。

この共同声明に対し、中国は「強烈な不満」を表明した。いまや米中の対立は、冷戦が始まったころの米国とソ連の関係を彷彿とさせる。

当時の米ソは対話がなく、相手への不信感を高めて核兵器を大量保有するに至った。緊張が頂点に達したキューバ危機が今回の台湾をめぐる情勢に近いだろうか。

日本は2021年度過去最大の防衛費5兆3422億円を計上したが、米軍は毎年80兆円もの国防費を使って最新の兵器を揃え、実戦に備えている。いざという場面で米軍の足手まといと思われがちな自衛隊だが、実は米軍との間で対中国を想定した共同訓練を繰り返している。

「大半の人が考えているよりもはるかに近い」

自衛隊の活動は後述するとして、なぜ台湾有事は「6年以内」なのだろうか。注目の発言は3月9日、米国の上院軍事委員会であった。

インド太平洋軍のフィリップ・デービットソン司令官は「中国は21世紀の安全保障にとって最大の長期的な戦略的脅威だ」と指摘し、「台湾への脅威は今後、6年以内に明白になるだろう」と期限を区切って台湾有事の発生に言及した。

また、後任の司令官に就任するジョン・アキリーノ海軍大将は3月23日、やはり上院軍事委員会で、中国が台湾に侵攻する可能性がある時期について「大半の人が考えているよりもはるかに近いと思う」と語った。

中国を管轄区域内に持つ2人の司令官の見解は「台湾有事は迫る」で一致する。それには理由がある。