「世界で勝負するならグランドセイコーしかない!」

「日本、そして世界市場で勝負するならグランドセイコーしかない!」

そう決意した私は、グランドセイコーの売上を一気に伸ばすための成長戦略を描きました。流通(売り場)、製造、営業、広告宣伝、ブランド……つまりすべての戦略を刷新し、即断即決の精神で次々と実行に移したのです。

この成長戦略を考える上で大きなヒントになったのは、セイコーウオッチの社員や製造会社がもともと持っていた情報、および取引先(小売店)の人たちから現場で得たヒントでした。私はその情報やヒントを基に、グランドセイコーの成長戦略を考えました。

その結果、どうなったか?

商品自体は何も変えていないのに、グランドセイコーは5年で3倍の売上を達成! ついに、眠れる獅子の覚醒です。

グランドセイコー売り上げ(イメージ)

しかも「リーマンショック」「東日本大震災」「超円高」という3大逆風下においてです。長く苦戦していたグランドセイコーを、一流の高級腕時計ブランドとして確立させることができた理由はその戦略にあります。

では、どうすればそのような戦略が立てられるのか?

そこには多くの秘訣があります。それが10の戦略メソッドです。これはあなたのビジネスでも使えるメソッドです。

どのビジネスにも使い回せるV字復活「10の戦略メソッド」

1、「3つの現場」が教えてくれる

「社内、販売、製造」という3つの現場が、ビジネスのヒントを教えてくれる。「3つの現場」は情報の宝庫

2、まず先に取引先を儲けさせる

取引先を先に儲けさせることが、自社の売上、利益拡大への近道

3、大逆風は変化するチャンス

大逆風は、事業構造を変える絶好のチャンス

4、自社の経営資源の棚卸し

自社の「強み」と「弱み」は何? 「強み」を活かし、「弱み」を課題として解決するのがビジネス成功の秘訣

5、会社の顔となるブランドを作る

最初からグローバルな視点でブランドを作る

6、すべての商品で儲けようとするな!

商品には3つの役割がある。

①売上・収益の柱となる商品
②収支トントンの商品
③アドバルーンの商品

7、良い商品必ずしも売れない!

商品が良いからと言って必ずしも売れない。50年間売上が低迷していたグランドセイコーは、商品はそのまま変えずに、売り方を変えて、5年で売上が3倍になった。売るための戦略をどう考え、実行するかが重要

8、「潜在需要層」は隠れた大きな需要層

ターゲットは2つの需要層。「本来の需要層」と「潜在需要層」

9、成功事例を作れ!

まずは、成功事例を作る。成功事例を見せれば、取引先はついて来る

10、ブランドには2つのステップあり

ステップ1 認知的価値(商品の品質・性能が良い)
ステップ2 情緒的価値(感動の共感〈憧れ、誇り、セレブリティ、人に自慢できる〉)