怒りそうになった時につぶやく言葉
怒らない方がうまくいくと分かっていても、つい腹が立つこともあります。そんなときはどうすればいいのか――。
【萩原】僕、長尾さんの『宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない。』を読んで「そうそう!」と思ったのが、失敗した時に「ちょうどいい」という言葉を使うこと。あれはうちで使わせていただきます(笑)。あの言葉が出てくる具体的エピソードが長尾さんの中にあったら、伺いたいです。
【長尾】さっき、怒りっぽいって話したでしょう。腹が立つたびに「それはちょうどいい」って言ってから何かをするようにすると、怒りが消えていくんですよね。
【萩原】1回言っちゃう?
【長尾】言っちゃう。人間の脳みそって、自分が口に出して言っちゃうと騙されるんですって。
今日もたくさん「それはちょうどいい」な出来事がありまして。例えば夕方に突然、予定していなかったミーティングが入りました。あちらの都合だけで、「どうしても1時間お時間取れないでしょうか。こちらは5時には帰ってしまうので4時からお願いします」って。たまたま予定が入ってなかったからいいけど、イラッとはしますよね。そういうときに「それはちょうどいい」って1回唱えると、自分がネガティブに捉えていたことをいったんゼロにできるんです。
「それはちょうどいい」と唱えると、「じゃあどうしよう」って次を考える時に必ずポジティブなことに向かうんですよね。「突如ミーテイングが入った。それはちょうどいい。絶対に断ろう」とはなりません。「突如ミーテイングが入った。それはちょうどいい。久しぶりだから、ちょっと話を聞いてみよう」となっていくんです。
【萩原】確かに。
困ったことも「それはちょうどいい」で乗り切る
【長尾】僕が怒ったとき、困ったときは大体、「それはちょうどいい」で乗り切っています。
僕は、のらくら農場がある佐久穂町の、大日向小学校という学校の理事をしています。一昨年の台風(2019年台風19号)のとき、学校も大変なことになりました。そのとき、その地域にいる人たちには絶対に言えないんですけど、自分の中では「それはちょうどいい。これを機会に地域の方々とより深いつながりを作ろう」って考えました。実際は大変だったんですけどね。
よろしくないことが起きたときは、みんなして「ちょうどいい」と唱えてから「じゃあどうする?」って考えてみると、ポジティブな取り組みが生まれてきやすい。僕はこれを「魔法の言葉」と呼んでます。
【萩原】それ、佐久穂町で流行ったらいいですね。
【長尾】流行らせたいですね。「それはちょうどいい」ってステッカー作って、車に貼りますかね(笑)。