「高額な治療=質の高い治療」とは限らない
また白内障手術の価格は、選択する眼内レンズによって変わってきます。
単焦点レンズであれば、「健康保険適用」なので、診察や投薬、眼内レンズを含めた手術一式の費用は全国一律です。これは乱視矯正機能のついたトーリックレンズであっても変わりません。
多焦点レンズの場合は、レンズによって健康保険に追加費用を負担することで保険外の治療を受けられる「選定療養」か、全て自費となる「自由診療」となります。とはいえ、「高額な治療=質の高い治療」とは限りません。
白内障手術は、保険適用内でも十分な治療が可能です。
自分の希望と沿わない、自由診療ばかりを強く勧める医師や病院には注意しましょう。
レーシックを受けた目は白内障手術が難しい?
レーシックを受けた目は、白内障手術が難しいといわれています。
白内障手術で移植する眼内レンズは、目の大きさ(眼軸長)と角膜のカーブから、その目にぴったりの度数を算出していきますが、レーシックでは角膜の表面をレーザーで不規則に削っているため、正確な度数算出が難しいのです。
逆に、白内障手術後のレーシックは可能です。
老眼鏡デビューをしたら、誰でも白内障発症の可能性はあります。
人間の五感である「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」の中で、視覚からの情報は、全体の8割以上も占めると考えられています。
「目が脳の出張所」といわれるゆえんです。また白内障の放置は認知症のリスクにもなるといわれています。
白内障と同時に、老眼や近視、乱視、遠視までも治すことが可能となった白内障手術でベストな選択をすれば「100歳になってもよく見える」は、難しいことではなくなってきています。視力矯正について、ぜひ最良な方法を見極めることをあきらめないでください。
(イラスト=加納徳博)