地方の衰退を食い止めようと、国は約60年前から「全国総合開発計画」などの施策を続けてきた。しかし、埼玉大学大学院の宮崎雅人准教授は「そうした国の政策が地方の衰退を早めている。自治体に交付金をばらまいて国は責任を取らず、地方が責任を取らされている」という――。
宮崎シーガイアのワールドコンベンションセンター「サミット」(宮崎・宮崎市=2000年2月5日)
写真=時事通信フォト
宮崎シーガイアのワールドコンベンションセンター「サミット」(宮崎・宮崎市=2000年2月5日)

地方の「自助努力」には限界がある

拙著『地域衰退』で地方創生の問題点について指摘した。その中で、この政策には主として次の点で問題があると述べた。

第一に、人口減少と地域経済縮小の克服を目指すという目標の達成可能性と結果の評価についてである。

人口減少が今後も続くことが予想される中で、自治体の人口を増加・維持あるいは、減少のスピードを低下させることは容易なことではない。自治体の努力によってそれらがあたかも実現可能であるかのように、自治体に目標を設定させ、その結果を評価することは現実的とは言えず、むしろ罪深いことである。

特に地域衰退が著しく進んでいる自治体にとっては、人口が減少スピードを緩やかにするという目標はかなりハードルが高い。すでに過疎対策の枠組みで幅広い事業に対して支援が行われてきているのである。それをもってしても、人口減少に歯止めがかかっていないことを踏まえれば、地方版総合戦略の施策の効果はよほど高いものでなければならない。しかし、衰退した自治体のリソースは限られており、「自助努力」には限界がある。