食事で仕事のパフォーマンスを上げるにはどうすればいいのか。分子整合栄養学に詳しい佐藤智春氏は「血糖値を乱高下させないように、糖の吸収がおだやかになるような食べ方をするといい」という――。

※本稿は佐藤智春『男は食事で出世させなさい』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。

疲れ
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朝食は……にんじんジュースより、エッグスープ

このごろ、朝食をとらない子どもたちやビジネスマンが増えています。

理由としては、起きるのに精いっぱい、時間がない、面倒で食べたくない、胃が受け付けないなどが挙げられます。

かくいう私も、24歳から、忙しいことを理由に仕事中は何も食べず、生活のためにひたすら働いていたので、気持ちはよくわかります。

しかし、こんな生活をしていたから、10年はもたなかったのです。

朝食は、すこしでも効率よくとる工夫をしなければなりません。

なぜなら、糖質は体内でキープされない栄養素で、体内の貯蔵に制限があるためです。体内の貯蔵場所は3カ所あって、それぞれに役割があります。

・血中に血糖として存在し、脳のエネルギーとして供給される
・筋肉にグリコーゲンとして存在し、運動時のエネルギー源として利用される
・肝臓に肝グリコーゲンとして存在し、血糖値を維持する

脳のエネルギーは糖質ですが、寝ているあいだ食事をしなくても脳のための血糖が維持されているのは、肝臓のグリコーゲンのおかげです。

ただし、肝臓のグリコーゲンは、健康な人でも12~18時間で空っぽになるため、昔から、朝食を食べないと頭が働かないとされているのです。

いまは生活のスタイルが変わり、ビジネスマンもまだまだ遅い時間に食事をとる習慣があったり、子どもたちも塾通いや夜中までのゲームやスマホで夜食を食べることを考えると、朝はまだ肝臓にグリコーゲンが残っているはず。そうすると単純に「朝食はとったほうがいいよ」ともいえなくなってきています。

しかし、たとえ規則正しく食べることができない人でも、昼までの活動エネルギーはキープしたいもの。そこで、時間がないときでも提案をしたいのが、エッグスープです。