卵は栄養満点で手軽なスーパーフード
もちろん、卵アレルギーの人は別ですが、そうでなければ、卵というのは子どもにとっても大人にとってもお年寄りにとっても、不足しがちなタンパク質やビタミン、ミネラルを補い、「隠れ栄養不足」を改善してくれる、手軽なスーパーフードです。
目玉焼き、オムレツ、卵焼きに茶碗蒸し、温泉卵にゆで卵――、毎日せっせと、おいしく食べることが、「健康」への近道です!
図表1を見ていただいてもわかるように、卵にはタンパク質、脂質のほか、カルシウムやリン、鉄や亜鉛などのミネラル、ビタミンC以外のビタミン類がすべて含まれている――。
それは卵のなかに、ヒヨコの脳、神経、内臓、筋肉、骨格、それらすべての細胞をつくるために必要な栄養素がつまっているからです。
私たちにとって、卵は人体の良質なタンパク源であり、食事からしか摂れない必須アミノ酸の宝庫なのです。
そもそも、コレステロール値が高いのは悪いことではなく、むしろ低すぎるほうが問題なのだということが、さまざまな研究者から報告されています。サプレッサーT細胞の発見者である順天堂大学医学部特任教授の奥村康先生は著書のなかで「コレステロールの高い人は頭がいい」ともおっしゃっています。
コレステロールは脳の「健康」に欠かせない栄養素
コレステロールの高い人は、頭がいい。
それも、じつは冗談ではないのです。
なぜなら、コレステロールは脳の「健康」に欠かせない栄養素だからです。
人体は60兆個の細胞でできていますが、そのすべての細胞膜の材料となるのも、このコレステロール。男性ホルモン、女性ホルモンをつくり、さらにストレスと戦ってくれるステロイドホルモンなどの材料にもなりますから、コレステロールが高いほうが精神が安定し、頭の働きもよくなって、長生きするという報告が出てくるのも当然と思えます。
コレステロールを下げる薬を飲んでいる人の自殺率が高い、という統計もあります。
もちろん、コレステロールが動脈硬化を引き起こすこともあります。
けれども、日本の医療現場では、コレステロールが高いことが悪いと、根強く刷り込まれているのは悲しいことです。
大切なのは、善玉、悪玉のバランスです。総コレステロールの数値が高いことだけを取り上げ、高いとすぐに薬で下げようとしてしまうのは乱暴なこと。25年間、多くの血液データを見せていただくなかで、そう考えるようになりました。