40歳以降は記憶に関する食材を積極的に食べること

コレステロールが高くなるという説に振り回されて、受験生のお子さんや社会で活躍する人たち、とくに高齢の方が卵を摂らない食事をしていると聞くと、ほんとうに悲しい気持ちになります。

いまの日本社会で働く方は、さまざまなストレスにさらされています。人より抜きん出て結果を出すには、脳の疲労を克服し、集中力をアップするためのサポートを、身近な方が工夫することが大切です。

佐藤智春『男は食事で出世させなさい』(ポプラ社)
佐藤智春『男は食事で出世させなさい』(ポプラ社)

そんなときこそ、卵です。

ストレスが多ければ多いほどタンパク質が必要とされますし、集中と記憶に欠かせないレシチンが豊富なのですから、ほんとうに有り難い食材なのです。

大事な会議、大事なプレゼンなどの予定を小耳にはさんだら、朝食に卵料理は必ず準備してくださいね。

高齢になってからの心配は、なんといっても認知症です。

いま、徘徊などで行方不明の方は年間1万人を超えているそうです。体だけでなく、脳の栄養を学ぶのは、大切な人を守りつづけるうえで、とても大事なことです。

とくに40歳以降はそれまでのツケがきますから、記憶に関する食材を積極的に食べることは必須です。好き嫌いも、その人の栄養状態を左右するので、そのことによってどんな栄養素が不足しているかも大きなポイントになります。

エイジングが進むと、あらゆる症状が薬で処理されることが多くなります。

医師も心配して多くの薬を処方してくれるのですが、臓器も年をとります。

薬は生体にとって異物。栄養は生体の材料。薬の前に、副作用のない栄養で体を労わりましょう。

薬を必要とする場合にも、栄養は副作用の予防に必要です。それを考えて食事をつくることは、大切な人の未来を守ること。

病気になってから後悔するのではなく、未然に防ぐことが大切です。

卵の黄身は認知症予防に効果的

集中力が散漫になったり、ここぞというときに重要なことを忘れてしまう、などは大切にしたいサインです。そんな症状が気になったら、認知症予防のためにも、卵の黄身を食べましょう。

タマゴ御飯
写真=iStock.com/gyro
※写真はイメージです

黄卵に含まれるレシチンが、脳の神経のいちばんのキー食材です。

レシチンの主成分は脂質ですが、水と油を仲良くさせてくれる天然の乳化剤でもあります。卵のレシチンは、神経細胞に多く存在し、神経伝達物質のアセチルコリンの原料となり、脳機能を活性化します。アセチルコリンが不足すると記憶障害やアルツハイマー病等の脳血管障害の原因となることもあると報告されています。

頭の回転をよくしたいと願う受験生はもちろん、最近、物忘れがひどくなったと気になる人も、認知症を不安に思う親たちにも、ぜひ1日3個の卵を。善玉コレステロールを上げ、脳の神経細胞を活性化させるためにおすすめしたいのです。

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