裸の写真を送った瞬間に「デジタル・タトゥー」となる

実際に「児童買春・児童ポルノ禁止法違反」で逮捕された30代男性の事例では、女子中学生に近づくために同学年の女子を装っていました。

男は架空の設定をつくり上げ「私も同じ学年だよ」などとSNSを通じて学校の話などをして、女子中学生の共感を得ていました。

インターネットで入手した別の女の子のわいせつな画像を送り、「私も送ったからあなたも見せてよ」と言って、女の子に裸の画像を送らせたのです。男のスマホからは数百枚の未成年のわいせつ画像が保存されていました。

また、19歳の男性モデルになりすました男が、掲示板で知り合った女子中学生と無料通信アプリのIDを交換。女子中学生のグループに招待させ、仲よくなった中学生に「裸の写真を送って」「すぐに削除するから大丈夫」などとして約1600人の児童とやりとりをし、100人を超える被害に遭わせた例もあります。

ちなみにこの被疑者は46歳だったそうです。このデジタル社会ではネット空間で裸の写真を送った瞬間に「デジタル・タトゥー」となり、写真が公開されてしまったり、直接性被害に遭ったりする事件も後を絶ちません。

名前が特定されると就活等にまで影響する

無料通信アプリで中学生の女子生徒に顔が入った自撮りの裸画像を送らせ、その画像を「ばらまく」などと脅して呼び出し、性的暴行を加えた事件もあります。

これがリベンジポルノの恐ろしさです。

「相手も顔写真を送ってきたから」「相手の顔写真が公開されているから」と信用してはいけません。その写真も、プロフィールも全て嘘かもしれないのです。

「児童買春・児童ポルノ禁止法違反」は、18歳未満の子どもに対して、わいせつな画像を送らせた時点で成立します。

わざわざ卑猥な画像をまとめた「まとめサイト」まで存在しています。そこに掲載されてしまうと、削除するのは難しいでしょう。

永久に消せない「デジタル・タトゥー」となるだけでなく、名前が特定されると就活等にも影響してしまいます。

スーツを着て書類とカバンを持った若い会社員
写真=iStock.com/byryo
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