サラリーマンの生涯所得はいくらぐらいになるのだろう。
労働政策研究・研修機構の調べによると、男子は大学・大学院卒が2億9000万円、高専・短大卒と高卒は2億6000万円、中卒2億2000万円となっている。女子は大学・大学院卒が2億5000万円、高専・短大卒は2億2000万円、高卒は1億9000万円だ。いうまでもなく、高学歴ほど生涯に得る収入は高い。
企業規模別では、予想通り、大企業になるほど生涯所得は高くなる。
例えば、企業規模1000人以上では、大卒男性で3億2000万円。企業規模10.99人で2億3000万円となる。生涯所得の差は9000万円の開きが生じている。
退職金を加えると、格差はさらに広がる。企業規模1000人以上では、大学・大学院卒男子は4億円だ。しかし、10~99人規模の企業では2億6000万円。その差は1億4000万円にまで拡大する(生涯所得の数字は、同機構「ユースフル労働統計―労働統計加工指標集―2007」より)。
当然、生涯に得た所得や支出に対しては、さまざまな税金を支払わなければならない。私たちの日常生活にかかわる税金はたくさんある。
代表的な税金といえば、所得税、住民税、そして将来、税率が確実に引き上げられる消費税がある。持ち家の場合はマイホームの購入時に不動産取得税がある。固定資産税も払っていかなければならない。
自動車を所有していれば、自動車重量税があるし、いま話題のガソリン税もある。ドライブがてら、温泉に入れば入湯税だ。さらには、酒税やたばこ税、ゴルフを楽しめば、その代金の中に、ゴルフ場利用税が含まれる。相続日本の主要な税金は40種類を超えるが、生涯に得る所得3億~4億円に対する税金も考えておかなくてはならない。
では、生涯納税額はいくらくらいになるのだろうか。
家族構成、夫婦共働きか妻は専業主婦か、持ち家か賃貸か、消費税など将来、税率が変わる可能性もあるので、条件次第で納税額も変わってくる。大まかな計算しかできないが、夫は大企業勤務、妻は専業主婦、子供2人、持ち家という条件で試算してみよう。
生涯所得3億2000万円のケースでは、60歳定年までに支払う所得税、住民税の合計は4170万円だ。先のデータでは退職金を含めると4億円となるが、退職金8000万円はさすがに現実的ではないので、3000万円とする。退職金の課税対象額は470万円。課税額は98万円となる。先の4170万円と合わせると、定年までに支払う所得税、住民税は4268万円である。
家族4人の衣食住にかかる費用を1億6000万円とすると、消費税は800万円だ。このほかに酒税やたばこ税もある。40年間、缶ビールを1日1本飲み、たばこ1箱をすったとすると税額は450万円だ。これらを加えた生涯納税額は5518万円となる。
企業規模10~99人の大卒男性は、退職金も含めた生涯所得は2億6000万円。所得税、住民税の合計は1960万円だ。消費税対象消費を1億2000万円とすると消費税は600万円。酒税、たばこ税も加えた生涯納税額は3010万円となる。
このほかガソリン税や固定資産税などの税金もある。生涯納税額は高いか、安いか。あなたはどう思うだろう。