女性議員は、森氏や二階氏に対する批判コメントを求められ…

批判の矛先は森氏にとどまらない。女性蔑視発言に怒り、大会ボランティアの辞退者が続出していることについて二階俊博自民党幹事長は「(ボランティアを)どうしても辞めたいなら、新しいボランティアを募集する」などと発言。コメントを求められた橋本聖子五輪相は9日、衆院予算委員会で「真意は把握していないが、不適切だった」と述べた。

スイス・ローザンヌにある国際オリンピック委員会(IOC)の新しい本部「オリンピック・ハウス」
写真=iStock.com/Bogdan Lazar
スイス・ローザンヌにある国際オリンピック委員会(IOC)の新しい本部「オリンピック・ハウス」

党内における二階氏と橋本氏の「格」の差は歴然としている。「格下」の橋本氏が二階氏に苦言を呈するのは異例。普通なら「真意は把握していないのでコメントは控えたい」のような答弁でお茶を濁すところだ。橋本氏ら、女性議員たちは、この問題で曖昧な対応をとると自分も批判されるという危機意識を持っているのだろう。

実際、稲田朋美、野田聖子の両衆院議員ら、知名度のある女性議員たちは、森氏や二階氏に対する批判コメントを引きだそうとするマスコミに追いかけ回されている。

麻生氏は「子どもを産まないほうが問題だ」とも発言

9日の予算委員会では麻生太郎副総理兼財務相も追及を受けた。麻生氏は2019年2月、自身が「年寄りが悪いみたいなことを言う変なのがいっぱいいるけど、それは間違いだ。子どもを産まないほうが問題だ」と発言したのだが、この問題について現状での認識を問われた。

失言の多さでは森氏に負けない麻生氏は「いつの発言だか、まったく記憶がない」と述べたが、女性がらみの失言をしたことがある政治家たちは、しばらくの間「過去」を蒸し返されることだろう。

しかし、今後最も追及を受けるのは菅義偉首相となりそうだ。菅氏は8日の衆院予算委で森発言について「国益にとって芳しいものではない」と語ったが、森氏に辞任を求めるよう迫られると「組織委が決めること」を繰り返した。