「森友学園」「加計学園」などの疑惑もまだ晴れていない
安倍氏は昨年9月、持病の潰瘍性大腸炎の悪化を理由に首相を辞任した。辞任後、健康状態はかなり回復したが、激務に耐えられるかどうか。そして、なんと言っても安倍氏の場合「負の要素」がついて回る。
首相辞任後の昨年末、「桜を見る会」の前夜祭をめぐり、自身の公設第1秘書が政治資金規正法違反の罪で略式起訴されるという事態が起きた。安倍氏自身は不起訴となったが、首相在任中に誤った答弁を繰り返していたことが明らかになり、国会でも追及を受けている。7年8カ月の在任中に起きた「森友学園」「加計学園」などの疑惑も、まだ晴れていない。
同じく首相経験者で、自ら選手として五輪出場の経験もある麻生氏も会長候補といえよう。ただし麻生氏は、森氏に負けず劣らずの失言癖がある。騒動の火消し役としては、向いていない。
83歳の森氏の後任候補として、持病を理由に首相を退任したばかりの人物と、80歳の元首相の名ぐらいしか浮かばないというのは、我が国の人材の払底ぶりを露呈しているともいえる。
10日開かれた自民党谷垣グループの会合では、森氏の後継者として、自分たちのリーダーでもある谷垣禎一元党総裁の名が上がったほか、「女性で元アスリートがいい」との理由で、小谷実可子さんらの名前があがったという。いずれも思い付きの域を出ないが、森氏の辞任が織り込み済みになってきたことは事実のようだ。果たしてどうなるか。