ヒットする商品はどこが違うのか。マーケティングコンサルタントの梅澤伸嘉氏は「もっとも重要なのはコンセプトづくり。そのため私の手がけたヒット商品には共通する8つのコツがある」という――。

※本稿は、梅澤伸嘉『「梅澤式」だと、なぜ超ヒット商品がこんなに作れるのか』(1万年堂出版)の一部を再編集したものです。

定番商品が成立する基本要素は、「生まれ」にある

第1章、第2章で、コンセプトが定番商品づくりに欠かせないものであることを理解していただきました。第3章ではもう少し掘り下げて、コンセプトづくりが定番商品を生む仕組みを見ていきます。

図表1に示したように、定番商品が成立する基本要素は、「生まれ」にあることがわかります。しかし、生まれだけでは作れません。

定番商品が生まれる途中段階で、「商品力」として「C/P(コンセプト/パフォーマンス)バランスのよい新カテゴリー」という条件を満たし、意図したか否かに関係なく、発売後は「販売力」や「広告力」という最大化要素によって、「カテゴリーの代名詞的商品」になるのです。

定番商品の特徴は、定番商品であるための条件とも言えます。それゆえ、これを目指していく指標としてとらえてください。代表的な特徴は、次のようになります。

①ロングヒット
市場に10年以上、上位として残り定着することです。定番商品は長い間市場にあって、消費者の期待に応えつづけます。

②長期No1〜3
定番商品として市場に定着すると、その80%はカテゴリー内シェアでNo1〜3を長期間保つことができます。逆読みすれば、必ずしもNo1でなくても上位3位以内を長くキープしつづけられればいいわけです。

③C/Pバランスのよい新カテゴリー
多くの消費者に、買う前から期待を与え、欲しいと思わせる力の強いコンセプト力があり、買ったあとに満足を与え、期待をかなえてくれるパフォーマンス力も持ち合わせている。

つまり「C/Pバランス」がよいこと。さらに「新カテゴリー」であること。この2つは定番商品の基本中の基本です。この特徴がロングヒットを生み、長期No1〜3の売上シェアを達成するのです。この特徴を備えた商品が「新市場創造型商品」ということです。