「図々しい人」と「丁寧な頼み方ができる人」の差

念のためですが、頼み方を丁寧にすれば、相手にいつ何を頼んでも失礼ではない、ということではありません。

吉原珠央『その言い方は「失礼」です!』(幻冬舎新書)
吉原珠央『その言い方は「失礼」です!』(幻冬舎新書)

特に、社内の繁忙期や昼休みが始まる直前、終業時間間際、病み上がりの人へのお願いなどに関しては、タイミングをよくよく考えた上で行いたいですよね。

どんな状況であっても、「1分でできる簡単な作業だから、パパッとやっておいて」などと、昼休みや退社時間の1分前に人に頼むようなことは避けましょう。

友人同士であっても、「○○さんの連絡先、教えて」「この間、一緒に行った焼肉屋さんの営業時間教えて?」などと用件だけのメッセージを時間に関係なく唐突に送る人は、想像力が欠けているといわざるをえません。

「お忙しいところ申し訳ないのですが」「お疲れのところ、ごめんね」「お手数をおかけしてしまうのだけど……」などと相手に敬意を払う一言を加えるだけで、「図々しい人」から、「丁寧な頼み方ができる人」になれるのです。

頼みごとを聞いてもらった後の感謝も忘れずに

また、誰かがあなたの頼みごとを聞いてくれた後も、メールやSNSを活用して、「とても助かりました」「ありがとうございました」といった感謝のフォローは必要です。

その後、本人に会ったときは、「先日は中川さんの連絡先をすぐに教えてくれて、本当にありがとうございました!」などとお礼を直接伝えれば、義理堅く礼節を重んじる人として、相手はきっと「何かあったら、またいつでもどうぞ!」という気持ちになるはずです。

ちなみに、父に「『頼み方に本性が出る』という項目で、お父さんのこと書かせてもらったよ」と電話で話したところ、「はっはっは。まさにその通りだね!」と明るく笑っていました。

現在は、英語の得意な親戚に翻訳を丁重にお願いし、快く引き受けてもらっているそうで、心ばかりのお礼をさせてもらったそうです。

心の狭い私が翻訳を断ったがために、父のことを手伝ってくれることになった親戚には申し訳ないやらありがたいやらですが、父は頼み方には気をつけていると話していたので、少しホッとしています。

果たして、この先、父の英語力は磨かれていくのでしょうか!?

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