頼みごとを快く引き受けてもらえる人と、嫌な顔をされる人は、どこが違うのか。イメージコンサルタントの吉原珠央氏は「頼み方が下手な人は、無意識に相手を不快にさせている。頼み方には怖いくらいに本性が出る」という――。

※本稿は、吉原珠央『その言い方は「失礼」です!』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

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最初に情報を与えない頼みごとは時間泥棒

あなたは、ごく最近、誰にどのような頼みごとをされましたか? また、誰かに何かを頼みましたか?

仕事やプライベートで簡単に引き受けられることもあれば、少々骨の折れる作業であったり、時間がかかる依頼など、様々なやりとりが日常的に起こっているはずです。

そんな中、人から何かを頼まれたとき、相手の言葉一つで「この人のためなら、できることは何でもしてあげたい!」と思ったことはありませんか。

身近な例でいえば、街頭でのティッシュ配りの方が、笑顔であなたの目を見ながら、「よろしければ、ぜひお使いください!」といってティッシュを差し出したとしましょう。

怖い表情で無言のまま、無理やりティッシュを渡そうとする人よりも、「よろしければ!」という人からのほうが、ティッシュを受け取りやすくなります。

頼み方のちょっとした違いで、私たちの行動が大きく変わることがあるのです。

私がよく頼まれることでいえば、「六本木で美味しい和食のお店を教えてほしい」など、お店の情報を知人からメールで聞かれることです。

誰にでも経験のあるような、ありふれた頼みごとに見えますが、実は相手の頼み方によっては、頼まれた側がかなりの時間を割くことになってしまいます。

そのときの知人からのメールには、どんな人が食事をするのか、人数、時期、食事の目的、予算、好き嫌いやアレルギー、好みの雰囲気、和食の中でも蕎麦やすき焼き、寿司なのかなどの情報が一切ありませんでした。

そこで、情報を入手しようとメールをし、相手からの返信を待って確認するといったやりとりが始まります。

結果的に、最初にメールを受け取ってから、三つのレストランに絞り込んで知人に紹介するまで、メールのやりとりは10回以上になってしまいました。

せっかく私を頼りにして質問をしてくれたのですから、少しでも有益な情報を相手に提供したいとの思いは変わりませんでしたが、なんだかぐったりしてしまったことを覚えています。

人に頼みごとをするときには、相手が考えやすいよう、必要最低限の情報を最初に簡潔に提示したほうが、依頼された側としてはとても助かるものなのです。