頼みごとは「する側もされる側も、礼儀と謙虚さがあってこそ」

人間関係というのは義理と人情で成り立っていると、私は考えています。

幸せな女性
写真=iStock.com/AntonioGuillem
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必要な情報が過不足なく書かれ、なおかつ丁寧で謙虚な文面であれば、頼まれた側も「頑張って力になろう!」という気持ちになるはずです。

相手に手間をとらせないよう、予め情報を明確に伝える丁寧さと、「お忙しい中、本当に恐縮なのですが、○○さんのような経験豊かな方に、ぜひ伺いたいことがあるのです……」などといった謙虚な頼み方ができれば、「一肌脱いであげたい」と多くの人が張り切って、あなたの依頼を引き受けてくれるはずです。

一方で、仮に何か頼まれて、それを果たせる自信がないのであれば、はっきりと断ることも親切というものではないでしょうか。

というのも、「いいですよ」と安請け合いしてから、結局、中途半端に終わってしまうなどといった場合、相手と自分の時間が無駄になってしまいます。

さらにはその後、相手の方は新たに引き受けてくれる人を探さなくてはなりません。

そこで依頼を受けるに当たっては、ご自身の中で揺るぎないポリシーを持つことをおすすめします。

ちなみに、私のポリシーは次のようなことです。

〈人から頼まれ事をしたときのポリシー〉
①その相手のために最後までやり遂げられる覚悟があるか考える
②自分にできることの範囲と期間を明確にする
③不安があるときは一日、考える時間をもらう
④相手の頼み方で違和感を覚えた場合は断る
⑤引き受ける場合も断る場合も、丁寧に伝える

さあ、あなたのポリシーも具体的に考えてみませんか。

頼みごとは、する側も、される側も、礼儀と謙虚さがあってこそ、なのです!

筆者が後味の悪い思いをした「父の無礼な頼み方」

「頼み方」といえば、身内の恥ずかしい話になるのですが、私の父の頼み方はつっこみどころが満載です。

父は地域の英会話サークルに入っていて、自分の好きな本の一部や、自分が書いたスピーチ原稿などがあると、「大した量じゃないんだけど、ちょっとお願いがあって。イギリス人の先生に読んでほしい原稿があるから、明日までに英語に訳してくれない?」と突然、私に連絡をしてくるのです。

毎回、A4判の用紙1~2枚に、7割は解読不能な文字がぎっしりと書かれていたりします。

育ててくれた父親とはいえ、「大した量じゃないんだけど……」という前置きにも、「ええ! 相当な量なんだけど……」と言い返したくなってしまいます。

父は英会話力を身につけたくて英会話サークルに通っていますが、翻訳を私に任せてしまっては英語の勉強にならず、目的と行動が矛盾しています(笑)。

そもそも、私の英訳のレベルを勘違いしている気がするのですが、「期限が明日って! お父さんの文字はなかなか解読できないから、余計に時間がかかるんだよ。悪いけど、私も毎日結構、忙しいんだよ。翻訳アプリもあるから、調べて使ってみたら?」といって断ると、「難しいことを頼んでいるわけでもないのに、たまちゃんは心が狭いな。こんな簡単な頼みごとを『いいよ、お父さん!』って引き受けられないなんて」などと電話を切られ、後味の悪い思いをすることがあります。