証券会社で40年近く投資のアドバイスをし、現在は経済コラムニストとして活躍する大江英樹さんは、「一見時流を捉えたように見える金融商品を、流行や話題に乗って買うのは非常に危険」と指摘します。気を付けたほうがいい投資信託とは――。
流行りものは短命で終わる
投資信託には、様々な種類がありますが、そんなジャンルのひとつに「テーマ型投信」と言われるものがあります。例えば、ロボット、5G、AI、ESG、といった様々なテーマを通じて特定の業界や企業に投資をするというタイプの投資信託です。こうしたテーマ型投信というのは別に最近出てきたわけではなく、かなり昔からありました。でもこういう“流行りもの”の多くはだいたいにおいて、短命で終わっています。
典型的なのは2000年前後のいわゆる「ドットコムバブル」です。当時のIT企業の株価が大幅に上昇しました。そんな時代にはそういう企業に投資するファンドが林立しましたし、更にもっと前だと1984年頃にはバイオブームでこうした企業に投資するファンドもたくさん出ていました。
時代が変わってもテーマを変えて売り出される
いずれのケースもあまり良い結果とはならずに終わっていますが、相変わらずこうしたテーマ型投信は時代が変わってもテーマを変えて売り出されています。
株式投資の場合は、その時代の流れに乗ることが大事ですからこうしたトレンドを見極めることはとても重要なことですが、投資信託の場合は、こうしたテーマ型投信を買うというのは決してお勧めできるものではありません。その理由は大きく言うと3つあります。