トランプ大統領の「私たちを黙らせることはできない」も削除
ツイッター社は2021年1月6日、トランプ大統領の「ツイッター」アカウントを、米連邦議会議事堂乱入事件に絡んで「重大な規約違反があった」として、一時凍結した。
その後、いったんはこの処置を解除したものの、2日後の8日になって、トランプ大統領の新たな投稿を「さらなる暴力をあおる危険がある」と判断、「暴力の賛美を禁じる」規約に違反したとして、アカウントの永久停止に踏み切った。
問題視したのは、「私に投票してくれた偉大な米国の愛国者たちは、将来にわたって巨大な声を持つ」「私は1月20日の大統領就任式には出席しない」の2つの投稿。いずれも「議事堂占拠への支持を表明したと解釈され、就任式での暴力行為を企てている人々を鼓舞しかねない」として「直ちにツイッターのサービスから永久に停止されるべき」と結論づけたという。
直後に、トランプ大統領は、大統領の公式アカウントを使って「ツイッターの社員は、私を黙らせるために、民主党や過激左翼と結託してアカウントを削除した」「近く自分たちのプラットフォームを立ち上げることを検討している。私たちを黙らせることはできない」と反発したが、「アカウントの停止に対抗するために別のアカウントを使うことは規定に反する」として、直ちに削除された。
「暴動の扇動に使われており、状況が一変した」
「フェイスブック」と傘下の「インスタグラム」も6日、「規約違反を確認した」として、トランプ氏のアカウントを一時凍結。7日には、無期限に凍結して投稿ができないようにした。これまでトランプ大統領には一貫して寛容だったが、米連邦議会議事堂乱入事件を機に、姿勢を大きく転換した。
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は「賛否両論ある内容でも、人々は政治的な発言に最大限アクセスする権利がある」との原則論を示す一方、「現在は暴動の扇動に使われており、状況が一変した」と方針転換の理由を説明、「政権移行期にフェイスブックのサービスの利用を続けることを許容するリスクは大きすぎる」と語った。
また、アマゾン傘下の動画配信サービス「ツイッチ」と、スナップの写真・動画共有アプリ「スナップチャット」も、同様の措置を取った。
グーグル傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」は、大統領選に関わる一部のチャンネルについて一時的に投稿や生配信を制限した。