革靴を磨くように自分のケアをすること

そもそも、スキンケアでは「愛着を持ってメンテナンスをする」ことが鉄則だと考えています。

革製品を例に考えると、革靴は履いていけばもちろん劣化しますし、たとえ履いていなくてもホコリが溜まったり、空気中の物質などで革が傷んだりしてきます。ですから、オイルを塗ったり、拭いたりと、「愛着を持ってメンテナンスする」のは当たり前だと思います。

すると、「劣化」とされていたものが「経年変化」という言葉に変わり、「味」を楽しんでいくものになりますよね。我々はそれに価値を感じ、育てていくのが楽しくなるのです。

スキンケアもこのプロセスとまったく同じで、ケアする対象が「自分」に変わっただけです。けれど、対象が自分になると恥ずかしくなったり、「自分なんて……」と謙遜してしまうケースが多く、非常にもったいないと感じます。もう今日からは、「愛着を持ってメンテナンスする」ことで、イケオジを目指して人生を豊かにしようじゃありませんか。

意外と知られていない「洗顔の鉄則」

ユーチューブのルーティン動画やスパ施設などで男性の洗顔方法を見ていると、「ガシガシ洗いすぎ」という印象があります。

若い男のためのセルフビューティースパ
写真=iStock.com/kyonntra
※写真はイメージです

男性がスキンケアで一番、重要視してほしいのは洗顔です。なぜかと言うと、皮脂を奪いすぎて乾燥したり、刺激を与えてしまったりと、何かと気をつけるべきポイントが多いからです。さらに、顔は体より皮膚が薄いうえに皮脂の分泌が多く、繊細な手入れが求められるのです。

まず前提として、スパ施設などでは洗顔しないほうがよいです。スキンケアセットや洗顔料、泡立てネットを持っていけるなら問題ないのですが、備え付けのものを使うのはやめておきましょう。スパ施設では気持ちいいお風呂に入って、洗顔はお家に帰ってから万全の状態でしていただきたいです。自分に合った洗顔料と、最低限の知識を持って、毎日の洗顔をしていきましょう。

以前の僕はクリーム状の洗顔料を手に取り、「これ、全然泡立たないじゃん……」と思いながらワックスのように手のひらで伸ばし、顔に塗ってゴシゴシ洗っていました。「泡立てる方法」がわからなかったですし、「泡立てるメリット」なんて考えてもいませんでした。

泡で洗う最大のメリットは「擦らない洗顔ができること」です。手で顔面を擦ると物理的な刺激が炎症につながり、くすみや肌トラブルの原因となります。泡立てることで柔らかいクッションができ、泡を転がすようにして洗顔をすれば、擦らず優しい洗顔が可能になります。

泡立てるためには、迷わず泡立てネットを購入しましょう。少量の洗顔料でもキメの細かい泡を立てることができます。そして、水やお湯を含ませて泡立てると、洗浄力もよりマイルドになり、肌に優しいです。ちなみに、手で泡立てるには相当な手さばきと水分コントロールのテクニックが必要です。慣れないうちは、数百円で買えますので、泡立てネットを購入することをおすすめします。